*16:14JST 前澤給装 Research Memo(4):2024年3月期上期は前年同期比1.5%増収、9.2%営業利益増
■業績動向
1. 2024年3月期上期の業績概要
前澤給装工業<6485>の2024年3月期上期の連結業績は、売上高15,636百万円(期初会社予想比64百万円未達、前年同期比1.5%増)、営業利益1,190百万円(同70百万円上振れ、同9.2%増)、経常利益1,259百万円(同99百万円上振れ、同7.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益808百万円(同28百万円上振れ、同4.5%増)と、ほぼ計画通りで着地した。新設住宅着工戸数は低調に推移したため、数量では前年同期で1ケタ台の後半程度減少したとみられるが、給水装置事業、住宅・建築設備事業で販売価格改定の効果があり、収益は数量減の中で緩やかな伸びを確保した。
営業利益は原材料価格が多少落ち着いたとは言え高水準にあり、数量減による原価率アップを生産効率の改善や販売価格改定の効果で補い、収益性の維持がなされた。ちなみに主要原材料である銅の建値については、2022年4月の133.6万円/トンをピークに、7月には108.5万円/トンまで急落したものの、その後は再度上昇、2023年は5月に118.1万円/トンがあった以外120万円/トンを超えており、9月は127.7万円/トンまで上昇、依然として高止まりしている。国産ナフサ価格も下落傾向にあり8月には58,901円/klだったが円安もあり9月は66,200円/klに上昇しており、環境悪化の中で健闘した上期決算と言える。
(1) 給水装置事業
給水装置事業は売上高8,285百万円(前期比1.1%増)、セグメント営業利益2,515百万円(同19.0%増)となった。新設住宅着工戸数が低調に推移、公共事業の予算執行も遅れがちとなっており、数量面では減少を余儀なくされたが、価格改定の効果が寄与、増収を確保した。地域別売上では最大の関東が3,400百万円(同0.2%減)と停滞、一方で2番目の中部は1,388百万円(同4.9%増)、3番目の近畿も890百万円(同7.5%増)と健闘した。利益面では数量減影響、銅の価格高止まりがあったものの、価格改定の効果があり、利益率は若干の低下となったものの増益を確保した。
(2) 住宅・建築設備事業
住宅・建築設備事業は売上高6,129百万円(前期比0.8%増)、セグメント営業利益1,009百万円(同0.6%増)とほぼ横ばいに止まった。新設住宅着工戸数が停滞する中で、販売価格改定の効果やマンション等集合住宅向け給水・給湯配管システム品の納入が集中した等で増収を確保した。地域別では主力の関東の伸びが同0.5%増と伸び悩み、2番目に売り上げが大きい近畿が同4.5%減となったことなどが響いている。利益面では価格改定の浸透、低採算品などの販売見直し等で利益率の維持がなされた。
(3) 商品販売事業
商品販売事業は売上高1,220百万円(前期比8.9%増)、セグメント営業利益122百万円(同6.6%増)と、鋳鉄商品の増加などで増収増益となった。
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期上期の資産合計は前期末比99百万円増加し、44,742百万円となった。自己株式消却で自己株が-941百万円から-1,546百万円となった以外、各項目に大きな変動はなかった。自己資本比率は85.9%(前期末は85.6%)と引き続き高水準を維持している。また、流動比率は577.8%(同547.6%)と高位を維持している。
2024年3月期上期末のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは722百万円の支出となった。これは主に、税金等調整前四半期純利益が1,257百万円生じたこと、前期発生した支払い条件の見直し影響が一巡し仕入債務の減少が116百万円減に縮小、たな卸資産で13百万円増に止まったことなどによる。投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資増、投資有価証券増などの影響により486百万円の支出となった。これらの結果、2023年3月期はフリーキャッシュ・フロー半期ではプラスになった。なお現金及び現金同等物の四半期末残高は9,710百万円と、自己株式取得628百万円などから期末比で減少しているが、依然として潤沢な水準を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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1. 2024年3月期上期の業績概要
前澤給装工業<6485>の2024年3月期上期の連結業績は、売上高15,636百万円(期初会社予想比64百万円未達、前年同期比1.5%増)、営業利益1,190百万円(同70百万円上振れ、同9.2%増)、経常利益1,259百万円(同99百万円上振れ、同7.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益808百万円(同28百万円上振れ、同4.5%増)と、ほぼ計画通りで着地した。新設住宅着工戸数は低調に推移したため、数量では前年同期で1ケタ台の後半程度減少したとみられるが、給水装置事業、住宅・建築設備事業で販売価格改定の効果があり、収益は数量減の中で緩やかな伸びを確保した。
営業利益は原材料価格が多少落ち着いたとは言え高水準にあり、数量減による原価率アップを生産効率の改善や販売価格改定の効果で補い、収益性の維持がなされた。ちなみに主要原材料である銅の建値については、2022年4月の133.6万円/トンをピークに、7月には108.5万円/トンまで急落したものの、その後は再度上昇、2023年は5月に118.1万円/トンがあった以外120万円/トンを超えており、9月は127.7万円/トンまで上昇、依然として高止まりしている。国産ナフサ価格も下落傾向にあり8月には58,901円/klだったが円安もあり9月は66,200円/klに上昇しており、環境悪化の中で健闘した上期決算と言える。
(1) 給水装置事業
給水装置事業は売上高8,285百万円(前期比1.1%増)、セグメント営業利益2,515百万円(同19.0%増)となった。新設住宅着工戸数が低調に推移、公共事業の予算執行も遅れがちとなっており、数量面では減少を余儀なくされたが、価格改定の効果が寄与、増収を確保した。地域別売上では最大の関東が3,400百万円(同0.2%減)と停滞、一方で2番目の中部は1,388百万円(同4.9%増)、3番目の近畿も890百万円(同7.5%増)と健闘した。利益面では数量減影響、銅の価格高止まりがあったものの、価格改定の効果があり、利益率は若干の低下となったものの増益を確保した。
(2) 住宅・建築設備事業
住宅・建築設備事業は売上高6,129百万円(前期比0.8%増)、セグメント営業利益1,009百万円(同0.6%増)とほぼ横ばいに止まった。新設住宅着工戸数が停滞する中で、販売価格改定の効果やマンション等集合住宅向け給水・給湯配管システム品の納入が集中した等で増収を確保した。地域別では主力の関東の伸びが同0.5%増と伸び悩み、2番目に売り上げが大きい近畿が同4.5%減となったことなどが響いている。利益面では価格改定の浸透、低採算品などの販売見直し等で利益率の維持がなされた。
(3) 商品販売事業
商品販売事業は売上高1,220百万円(前期比8.9%増)、セグメント営業利益122百万円(同6.6%増)と、鋳鉄商品の増加などで増収増益となった。
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期上期の資産合計は前期末比99百万円増加し、44,742百万円となった。自己株式消却で自己株が-941百万円から-1,546百万円となった以外、各項目に大きな変動はなかった。自己資本比率は85.9%(前期末は85.6%)と引き続き高水準を維持している。また、流動比率は577.8%(同547.6%)と高位を維持している。
2024年3月期上期末のキャッシュ・フローについて、営業活動によるキャッシュ・フローは722百万円の支出となった。これは主に、税金等調整前四半期純利益が1,257百万円生じたこと、前期発生した支払い条件の見直し影響が一巡し仕入債務の減少が116百万円減に縮小、たな卸資産で13百万円増に止まったことなどによる。投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資増、投資有価証券増などの影響により486百万円の支出となった。これらの結果、2023年3月期はフリーキャッシュ・フロー半期ではプラスになった。なお現金及び現金同等物の四半期末残高は9,710百万円と、自己株式取得628百万円などから期末比で減少しているが、依然として潤沢な水準を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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