ヤマイチ・ユニハイムエステート、来年より株主優待制度導入 下期は法人向け不動産販売とマンション案件の竣工を予定
当社のビジネスモデル
山田茂氏:こんにちは。ただ今より、2024年3月期第2四半期の決算説明を始めます。
今期の業績予想の前に、まず当社のビジネスモデルについて簡単にご説明します。当社の最大の強みは、土地の開発力にあります。特に素地、つまり農地や山林など、宅地の原材料となる状態から、権利関係の調整や各種許認可の取得といったプロセスを経て宅地を完成させ、建物が建設できる状態へと加工していくノウハウを持っています。
多くの会社が、既成市街地の再開発事業や、土地開発の一部のプロセスについて事業展開しているのに対し、当社ではこのような土地開発に関する一連のプロセスをフルラインでカバーしています。
このようにして開発した不動産を自社で一般顧客に宅地分譲する、企業向けの産業用地として販売する、あるいは自社の収益不動産として長期保有・賃貸することで収益を獲得しています。このような、いわば不動産の製販一体のビジネスモデルにより、高い開発利益を確保できることが当社の強みです。
「土地を活かす」当社のビジネスフロー
もう1つの当社の特徴は、土地を起点としたビジネスフローです。当社は、分譲マンション、戸建て住宅、賃貸アパートといった特定の建物を大量に供給する、いわゆる建物ありきのビジネスではありません。
それぞれの土地の立地特性や地域の将来性を分析した上で、さまざまな用途への開発について比較検討・分析を行い、それぞれの土地が持つ価値を最大限に引き出すビジネスを展開しています。
特定の用途にこだわらず、柔軟な発想で土地の付加価値を高めるというビジネスモデルが当社の安定的な成長の基盤となっています。
2024年 3月期 業績予想
今期の業績予想です。スライドに記載のとおり、2024年3月期は前期比で増収減益となる計画としています。
左下は減益要因です。前期のM&Aおよび収益不動産の取得により、ストック収益つまり賃貸売上が増収となる一方で、今期取得した大型商業施設の取得コストや、テナントの入れ替えに伴う大規模なリニューアル工事のコスト増により減益となる計画です。
右側に中期計画について記載しています。今期を含む3ヶ年では、今期取得した収益不動産の稼動などが見込まれることから緩やかな増収を計画していますが、金融情勢の変動をはじめとする先行きの不透明性を考慮し、営業利益についてはやや保守的に見積もっています。
月次売上計画
こちらのスライドは今期の計画を月次展開したものです。今期はご覧のとおり下期に偏重した計画となっています。上半期は戸建て住宅、分譲マンション等の販売用不動産の完成在庫が少ない状態でスタートしたため、第2四半期までは売上、利益ともに低調となっていますが、下半期の引き渡しに向けた契約や工事の進捗については現在順調に推移しています。
下半期については、法人向けの産業用地などの販売、並びに分譲マンションの完成引き渡しを予定しており、現在概ね計画どおりに進捗している状態です。
売上高 四半期推移
当社は特定の用途にこだわることなく、不動産を自社開発するビジネスモデルですので、素地の取得時期や開発規模により完成するタイミングがばらつく傾向があります。そのため四半期ごとの売上、利益の変動が大きく、前年同月比では業績の実態が捉えにくいため、常に事業計画に対する進捗状況をモニタリングしています。
先ほどお伝えしたとおり、今期は下期に多くの案件の取引を計画しているため、上半期までは前年と比べて各数値が低く見えていますが、最終的には当初の計画どおりの数字となる見込みです。
通期計画に対する進捗
第2四半期のハイライトをご説明します。スライドには第2四半期の業績ハイライトと、通期計画に対する進捗を記載しています。売上高は45億9,100万円、営業利益は2億1,400万円、経常利益は5,500万円という結果でした。
今期は下期偏重の計画ですので、現時点での売上高の進捗率は21.8パーセントという結果ですが、今後の各セグメントの進捗について、この後のスライドでもう少し詳しくご説明します。
2024年3月期 四半期計画と実績
売上高および営業利益の四半期計画に対する実績です。第1四半期はやや出遅れましたが、第2四半期で完成在庫の販売が進捗していますので、上半期は概ね計画どおりとなっています。
不動産開発・賃貸事業
不動産開発・賃貸事業の進捗です。収益不動産の売上については、概ね計画どおりに進捗しています。また、新規取得不動産が寄与した結果、昨年と比べても増収となっています。
ただし、今期取得した収益不動産、特に商業施設のテナント入れ替えに伴うリニューアル工事が発生しています。このような商業施設は11月より順次オープンする予定ですので、下期以降に賃料収入として反映される予定です。
不動産開発・販売事業
不動産開発・販売事業の進捗です。上期は物価高騰などの影響により、戸建販売が苦戦しており、計画比80.6パーセントという進捗になっています。ただし現在は、販売促進に向けたキャンペーン等の効果が表れており、契約も現在順調に推移しているため、下期での挽回に期待しています。
稼ぎ頭である法人向け産業用地などの不動産販売に関しては、下半期に引き渡しを計画しており、最終的には計画どおりの数字が残せると予想しています。
マンション事業
マンション事業の進捗です。前期末の完成在庫は、上半期で完売しました。竣工案件の引き渡しは第4四半期に集中しているため、現在は販売の強化、建築工事の工程管理をしっかりと進めているところです。
貸借対照表
貸借対照表のサマリーです。ポイント①として、来期以降の開発案件の仕入れと、今期竣工予定の工事案件への支出で現金が減少していますが、期末の物件引き渡しで大きく回復する計画です。
ポイント②として、現在開発中の案件が進行しているため、工事の進捗に応じて棚卸資産の販売用不動産が増加しています。
ポイント③として、長期借入金の一部について、返済期間が1年以内に振り替わったため長期借入金が減少し、短期借入金が増加しています。これらの多くは、今期の販売用不動産の取引により返済される予定です。
資産状況と経営指標
資産状況と経営指標のサマリーです。第2四半期を終えて総資産が459億2,200万円と、前期末から約45億9,000万円増加しています。
経営指標と保有している不動産の内訳は、それぞれスライドに記載しているとおりです。大型開発案件への投資の結果、自己資本比率が約3ポイント低下しています。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書です。関東エリアにおいて大型物件の取得に成功したことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは大きくマイナスとなっています。これに伴う借入金により、財務活動によるキャッシュ・フローが増加しています。
有形固定資産の取得により、投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなっています。これらはいずれも、来期以降の収益源に対する投資の結果です。
株価の推移
株主還元についてご説明します。スライドのグラフは株価の推移です。10月末ごろから、株価が回復基調にあると見ています。
配当の状況と予想
2024年3月期の配当は年間33円を計画しています。配当性向等を意識しながら、今後も増配を続けていきたいと考えています。
株主優待制度の導入
株主優待制度の導入についてご説明します。来年、創業35周年を迎えるにあたり、株主優待制度の導入を決定しました。今後、この制度を通じて、創業の地である和歌山県の味覚や名産品をご紹介し、不動産や建築等を契約いただいた株主さまに優待を受けていただくための仕組みを作っていきたいと考えています。
山田氏からのご挨拶
本日はお忙しい中、ご視聴いただきありがとうございました。企業価値の向上を目指して、今後も社員一同がんばっていきますので、投資家のみなさま方におかれましては、ご支援よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。
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