GMOペパボ、ストック売上が堅調も2Qの貸倒関連費用が影響し損失計上、今後の成長に向け事業開発やAI活用を推進

投稿:2023/11/14 19:00

決算サマリー

佐藤健太郎氏:代表取締役社長の佐藤です。本日はお忙しい中、説明会へご参加いただきありがとうございます。GMOペパボの2023年12月期第3四半期決算説明会を開始します。

今回の決算サマリーです。第2四半期に貸倒関連費用を計上した影響が継続し、損失計上となりました。一方で、第3四半期連結会計期間はストック型ビジネスが業績を牽引したほか、金融支援事業の債権回収が進行した結果黒字となりました。また、今後の事業成長へ向けた施策や、AI技術のサービス適用も継続して進めています。

AGENDA

本日のアジェンダです。資料後半には参考資料も掲載していますので、お時間のある際にご覧ください。

決算概要(3Q累計実績)

2023年12月期第3四半期の決算概要です。第3四半期累計の売上高は、前年同期比105.3パーセントの82億2,500万円、営業利益はマイナス5億8,200万円となりました。経常利益以下は、スライドに記載のとおりです。

連結業績推移(四半期ごと)

四半期ごとの連結業績推移です。2023年第3四半期の売上高は、ストック型ビジネスの売上高が伸びているものの、金融支援事業の請求書買取額を抑制していることから前年並みとなりました。

一方で営業利益は、前年に発生した高額ドメイン販売や、「SUZURI」Tシャツのセールの計上時期が第2四半期から第3四半期にずれた影響の反動を受け、減益となりました。

営業利益増減分析(3Q累計)

営業利益の増減推移です。引き続き、第2四半期で貸倒関連費用を計上した影響を大きく受け、営業損失へ転じています。

セグメント別業績(2023年12月期 3Q累計)

セグメント別の業績です。ホスティング事業は、価格改定効果によりストック型ビジネスが堅調に推移しました。EC支援事業は、「SUZURI」のコスト削減により営業利益が改善しました。

ハンドメイド事業は流通額が減少し、前年割れとなりました。金融支援事業は、第2四半期に貸倒関連費用を計上した影響で損失計上となりました。

ホスティング事業

各セグメントについてご説明します。まず、ホスティング事業です。売上高は順調に増加し、前年同期比105パーセントの42億5,700万円、営業利益は前年同期比98パーセントの14億1,000万円となりました。

ホスティング事業(ロリポップ!)

​ レンタルサーバーサービスの「ロリポップ!」は​、売上高18億5,400万円、営業利益9億8,600万円となりました。顧客単価は、2023年2月に実施した価格改定の効果を受け、増加傾向が続いています。高単価プランでの契約件数は増加しているものの、低単価プランでの契約件数減少の影響により、契約件数全体は減少しました。

ホスティング事業(ムームードメイン)

ドメイン取得代行サービス「ムームードメイン」は、売上高17億2,900万円、営業利益2億1,200万円となりました。顧客単価は、2023年2月からサービス維持調整費を導入した効果により増加しました。また、契約更新率は高いものの、一方で新規ドメインの契約件数が伸び悩みました。

EC支援事業

EC支援事業です。売上高は前年同期比107パーセントの22億8,300万円、営業利益は前年同期比134.2パーセントの5億8,600万円となりました。

EC支援事業(カラーミーショップ)

ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、売上高15億4,200万円、営業利益5億4,600万円となりました。2022年4月に行った価格改定の効果により、顧客単価は増加していましたが、現状は一巡し落ち着いています。

月額プランの解約件数は落ち着いてきているものの、新規契約件数の増加幅が減少し、契約件数全体は微減となりました。

EC支援事業(SUZURI)

オリジナルグッズ作成・販売サービスの「SUZURI」は、売上高7億2,900万円、営業利益7,600万円となりました。売上高は前年並みでしたが、営業利益は昨年実施したテレビCM等のコスト削減により黒字となりました。

ハンドメイド事業(minne)

ハンドメイド事業です。売上高は前年同期比91.7パーセントの11億3,100万円、営業利益は前年同期比58.6パーセントの4,000万円となりました。

ハンドメイド事業(minne)

2023年第3四半期累計の流通額は、低価格作品の販売が苦戦しており、前年同期比87パーセントの97.8億円となりました。

金融支援事業

金融支援事業です。売上高は前年同期比143パーセントの5億5,200万円、営業利益はマイナス11億4,000万円となりました。営業利益は第3四半期で債権回収が進み、引当金の戻し入れが若干発生しましたが、累計では第2四半期に計上した貸倒関連費用の影響が大きく出ています。

FREENANCE 請求書買取額推移

金融支援事業です。管理強化に伴い、2023年6月以降の請求書買取額が大きく減少しています。第3四半期の買取額は14.1億円となりました。

ストック型ビジネスの業績推移

2023年12月期の業績進捗をご説明します。

ストック型ビジネスのホスティング事業と、「カラーミーショップ」の一過性収益を除いて集計した売上高の推移です。2023年第3四半期のストック型ビジネスによる収益は17.1億円となり、価格改定したホスティング事業を中心に順調に成長しています。

MuuMuu Sites提供開始

ホスティング事業の「ムームードメイン」では、2023年10月から新機能「MuuMuu Sites」の提供を開始しました。「MuuMuu Sites」を利用すれば、オールインワンツールの「Notion」を使って簡単にWebページを作成でき、ドメインを取得するだけで、専門的な知識やスキルがなくても直感的にWebサイトを構築できます。

Webサイト作成のハードルが大幅に低下し、手軽にアウトプットができるようになるため、新たなユーザー層を取り込むことができると考えています。

EC関連サービス流通額の推移

「カラーミーショップ」「SUZURI」「minne」の3サービスを合計したEC関連サービスの流通額は、「カラーミーショップ」における既存店舗の退店が増加していることから、前年同期比で減少しています。

「カラーミーショップ」のプレミアムプラン展開による新規契約獲得や退店防止策に取り組むほか、「minne」や「SUZURI」の施策実施による流通額拡大を目指します。

フロー型ビジネスの取り組み①(minne広告、イベント開催)

「minne」では2023年8月より、作家がサービス内で自分の作品を宣伝できる「minne広告」の運用をスタートしました。専門知識がなくても手軽に広告が運用できることから、すでに多くの方にご利用いただいており、広告利用者は年間1万人程度となる見込みです。

また、9月16日から18日に、4年ぶりとなる「minneハンドメイドマーケット2023」を東京ビッグサイトで開催し、多くのハンドメイド作家やユーザーのみなさまに来場いただきました。

フロー型ビジネスの取り組み②(SUZURI 集客強化)

「SUZURI」では、サイト訪問者数を増やすために、集客力のあるコンテンツやIPを起用した施策を進めています。第1弾として、バンダイナムコエンターテインメントの「アイドルマスター シャイニーカラーズ」を起用したグッズ販売を開始したほか、2023年11月には第2弾の発表も予定しています。

また、東映アニメーションとのコラボ企画として二次創作コンテストを開催しているほか、カルビーとのコラボ企画で「じゃがりこ」パッケージデザインコンテストも実施しました。今後もIP起用を積極的に行い、「SUZURI」への集客効果を図ります。

事業開発部の新設とサービス価値の拡大

2023年10月に事業開発部を新設しました。当社は、新しいサービスを常に提供しつづけてきたことで、多くのクリエイターにご支持いただき、成長を続けてきました。新規事業の探求、開発、運営だけでなく、若手の起用によるリーダーシップ拡充や独自のビジネス領域でサービス展開を行い、当社の新しい価値を創出していきます。

一方で、現在提供中のサービスに関しては、顧客のターゲット層を広げ、現状のサービス利用者への価値提供を向上させる取り組みを行うことで収益拡大を目指します。新たなストック収益の確保や海外事業の取り組みのほか、事業領域の拡大を通じて事業成長を目指します。

AI対応の促進(事例①)

当社は、引き続きサービス内でのAI技術の活用を促進しています。「カラーミーショップ」では、「カラーミーAIアシスタント」の継続的な機能追加を行い、管理画面から商品の宣伝文を自動生成するだけでなく、指示に合わせて宣伝文を再生成することも可能になりました。また、商品名をもとに、SEO設定の3項目を自動生成する機能も導入しました。

「minne」では、「minneハンドメイドマーケット2023」において、来場者の要望に合った出展者や、ショップをAIが紹介してくれるサービス「ハンマケAIコンシェルジュ」を展開しました。

AI対応の促進(事例②)

AIは業務効率化にも貢献しています。「minne」のカスタマーサポート部門では、不正注文のモニタリング業務で役立つ、不正注文の検知AIを開発しました。ふだん1万件近く行っているモニタリング業務の工数削減に貢献しています。

また、管理部門においても会議議事録の作成AIを導入し、議事録作成を自動化することで、業務効率の改善につなげています。サービス部門以外でも積極的にAIを活用し、日々の業務改善に取り組んでいます。

第3四半期の決算説明は以上です。ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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