GENOVA、売上高・利益ともに計画を上回る着地 成長と利益拡大を両立する事業基盤を構築し今期も高成長を見込む
INDEX
平瀨智樹氏:株式会社GENOVA代表取締役の平瀨智樹でございます。本日はお忙しい中、当社の2023年3月期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
当社は昨年12月末に東京証券取引所グロース市場に上場し、本日が上場後初めての決算説明会となります。当社のことを初めて知るステークホルダーの方もいらっしゃると思いますので、スライドに記載のとおり、事業概要、2023年3月期の通期連結決算、2024年3月期の連結業績予想、成長戦略の順にお話ししていきます。
MISSION
まず、事業概要についてです。GENOVAは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションとし、2つの事業を展開しています。1つ目の事業では、医療情報格差をなくすための新しい医療インフラを創るべく、メディカルプラットフォーム事業を推進しています。
2つ目の事業では、時間の無駄やクリニック内でのストレスを解決するためのソリューションを提供し、新しいクリニックや診療所を創るべく、スマートクリニック事業を推進しています。
当社のサービスにより各ステークホルダーの課題解決を実現
当社では、利用者と医療従事者との間に存在する医療情報格差や長い待ち時間の課題、医療関係者が抱える業務過多の課題、そしてクリニック経営者や医師の適切な医療提供や習慣の課題など、すべてのステークホルダーの課題の解決を目指し、事業を運営しています。
当社のサービス概要
主力のメディカルプラットフォーム事業では、医療メディアである「Medical DOC」を中心に、医療機関と患者との適切なマッチングを実現しています。このメディアでは健康や未病、予防情報等の医療関連情報や医療機関の紹介を、一般ユーザー向けに無料で提供しています。
一般ユーザーはその情報をもとにクリニックを訪れるため、医療機関からは紹介記事や動画の制作を有償で依頼いただき、当社はその売上を記事や動画の作成費用として計上しています。この事業は当社の売上高の約6割を占めており、営業利益ベースでは8割を占めています。
当社がMedical DOCにて提供しているメインコンテンツ
当社はご覧のように多彩なコンテンツを「Medical DOC」内で提供しています。左側は、一般利用者に配信している記事です。医師が監修する医療情報記事や、身近な健康問題への関心を高める啓蒙コンテンツとして著名人による闘病体験記事、未病への取り組みに関する記事を掲載しています。
右側は医療情報コンテンツで、医療機関の紹介記事や動画を制作するサービスを、医療機関向けに有償で提供しています。
当社のサービス概要
スマートクリニック事業では、主に「NOMOCa」という名前で自動受付精算機やセルフ精算レジを展開しています。この事業では業務効率化を促進し、将来的には受付ゼロで運営できるソリューションの構築を目指しています。
また、新しいプロダクトである「LINE」を使ったCRMやマーケティングツールの「CLINIC BOT」は、今期だけでも310件超の導入があり、伸びてきています。この事業は当社の売上高の約3割を占め、営業利益ベースでは約2割を占めています。
スナップショット
通期の業績ハイライトをご説明します。2023年3月期の連結売上高は65億1,000万円を超え、営業利益は17億3,000万円を実現しました。これは、通期計画の連結売上高64億3,000万円、営業利益16億2,000万円という予想を上回る着地となっています。
また、メディカルプラットフォーム事業における医療メディアの記事数は、1万記事に近い9,814記事まで伸び、月間PV数も900万件超えを安定的に創出することに成功しています。
なお、スマートクリニック事業の「スマート簡易自動精算機再来受付機」「セルフ精算レジ」の導入台数も、累計で1,500台を超えることができました。
2023年3月実績 及び 3ヵ年サマリー
2023年3月実績及び3ヵ年サマリーです。2023年3月期の実績として、連結売上高は65億1,000万円で前年比136パーセントの成長を遂げ、連結営業利益は164パーセント成長し、17億3,000万円まで増加しました。
その結果、営業利益率の目標は25.2パーセントと設定していましたが、通期終了時点では26.6パーセントと上振れています。
3ヵ年サマリー 四半期事業別売上
スライドには、四半期ごとの売上高を記載しています。第4四半期では、今までの最高売上高である20億2,000万円となり、前年同期比で5億4,000万円増加し、約137パーセントの成長を遂げました。
事業別では、メディカルプラットフォーム事業が前年同期比で約150パーセント成長しました。スマートクリニック事業は約140パーセント成長し、通期でも約150パーセントの成長を実現しています。
当社のビジネスについて、新型コロナウイルスによる感染症の流行前・流行後ともに売上は堅調に推移してきました。2021年と比べても、年平均成長率は31.5パーセントと高い水準を維持しています。
利益構造及び利益率の推移
利益構造及び利益率の推移です。スライド上部のウォーターフォールチャートは、当社のコストの構造を示しています。
売上構成の半分以上を、収益性の高いメディカルプラットフォーム事業が占めていることにより、利益率の上振れを実現し、営業利益率も1.4パーセントの改善に成功しました。
3ヵ年サマリー 四半期事業別営業利益
四半期ごとの事業別営業利益です。通期で、メディカルプラットフォーム事業が営業利益を牽引し、第4四半期の営業利益は過去最高の6億7,000万円となりました。また、前年同月比では約2億1,000万円の増加で、144パーセント成長しています。
3ヵ年サマリー 四半期新規既存⽐率
四半期ごとの新規既存⽐率です。こちらも14ページと同じく、当社の売上構成比を表しています。
売上高の約6割超が既存のお客さまに対する販売であり、安定感のある売上を構築できていると思っています。同時に、新規顧客の開拓も進んでいます。
2024年3月期業績予想 及び 3ヵ年サマリー
2024年3月期の連結業績予想についてお話しします。スライドには、2024年3月期の業績を過去3年の数字と比較するかたちで掲載しています。
2024年3月期の連結業績の見通しは、売上高が84億8,000万円で前年同期比30パーセント増、営業利益が22億円で前年同期比27パーセント増、経常利益が22億円で前年同期比29パーセント増と予想しています。
新商材等への先行投資も必要だと思っているため、成長と利益拡大を両立する事業基盤を構築していく予定です。
2024年3月期の売上構成⽐
各事業の見通しとその内訳です。2024年3月期の売上高構成比には、従前と大きな変化はありません。各事業の成長率は、メディカルプラットフォーム事業が36パーセント、スマートクリニック事業が30パーセントを計画しています。
利益構造及び利益率の推移
利益構造及び利益率の推移です。営業利益が26パーセントと前年より微減する計画になっていますが、こちらは新商材のための先行投資や営業人員の強化等のコストを多めに見込んで、試算しています。
期初の計画より利益率が上振れしているため、今期も前年と同様に営業人員の生産性の強化やコスト管理の向上を図り、26パーセント以上の数字を創出できるように努めていきたいと思います。
ガバナンス強化と組織再編
今月初めに、適時開示で組織変更と執行役員の人事異動、ストックオプションの発行を行いました。上場を機に、今後のIR体制の強化を図るために財務経理部を財務部と経理部に分割しました。財務部では今後、財務戦略・IR対策・M&A戦略等を担ってもらいます。
営業部隊も管轄部門を分散させ、よりコントロールとガバナンスの効いた体制を構築しました。ストックオプションは、中長期的な当社の事業や業績の拡大により、株主さまと同じ目線が持てるようにするための取り組みです。そちらにコミットすることにより、幹部・従業員の士気を高め、より良い会社にしていきたいと思っています。
売上を構成する2つの要素
成長戦略についてです。当社の売上は契約件数と契約単価に分解できます。既存顧客に対しては、直接営業の人員強化を行うことでさらなる接触回数を確保できると考えています。
新規顧客の開拓は、代理店販売の強化や新規営業所の開設、投資額が少ないクリニック向けのプラン構築を行うことで、顧客の増加につながると思っています。
営業人員一人当たりの売上高
営業人員数は毎年増えており、一人当たりの生産性も上がっています。つまり、採用と研修の2つがうまくいっている状況だと思っています。引き続き採用と研修に力を入れながら、数値を上げていきたいと思っています。
既存深堀及び新規開拓による顧客数の増加
営業拠点の展開として、昨年は仙台に新たに開設しました。今期も1拠点増やそうと検討しています。現時点での候補地は、中国地方か四国地方の新営業所です。全国のクリニックにアプローチできるよう、コストと人員を見ながら最適な運営を心がけていきたいと思っています。また、毎年新たな営業拠点を開設することを中期的な目標として考えています。
代理店パートナーシップについても、第4四半期までに新規で7件ほど強化することができています。
事業別契約件数と契約単価
事業別に「お客さまの件数×単価=売上」という方程式に当てはめ、各項目を分析しています。両事業とも着実に成長しており、今期もサービス契約件数は堅調に推移しています。
メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策
メディカルプラットフォーム事業については、主力の医療メディアの医療関連記事が増えることで、PV数、利用者数が増えてきています。その結果としてネットワーク効果が生まれ、メディアとしての価値が高まり、さらなる値上げの実行が可能になっています。
今後は新商材を求め、新規業務提供やM&Aをきっかけに、一般ユーザーが求めるコンテンツをさらに追加していく予定です。当社としては、今後もさまざまな切り口の記事を増やしていくことが可能だと考えています。
また、記事が増えることは、複数契約の契機の創出にもつながります。これらの要因により、今後の契約単価が向上していく見込みです。
メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策
こちらのスライドは、メディカルプラットフォーム事業における記事数とPV数をチャート化したものです。ご覧のとおり、記事数・PV数はともに右肩上がりで、特に記事数は直近で9,814本に上っており、目標としていた9,400記事をはるかに上振れる結果となっています。
そのような貢献もあり、PV数も順調に900万件を超え、第4四半期の3ヶ月平均でも900万件を超えることに成功しています。
GENOVA GATEWAY構想に基づくクロスセル施策
スマートクリニック事業では、医療体験の最適化をテーマに、既存のサービスラインナップと掛け合わせるかたちでサービスを展開していきたいと思っています。
GENOVA GATE WAY構想
「GENOVA GATE WAY構想」では、自社の開発だけではなく、さまざまな会社との業務提携やアライアンスを模索し、継続的な成長を創出していきたいと思っています。そのために今後もさらなるDX化を追求し、オンライン診療や薬の配送から取り組みを始め、中長期的にこの事業をBtoBまで伸展できるような計画を考えています。
新商材
「GENOVA GATE WAY」の駆け出しとして、当社が今までに発表した新商材の事例をご紹介します。左上の「スケッチピストン」という商材は、クリニックの待合室にタッチパネルを設置し、子どものクリエイティビティを高める競争の場づくりを行うものです。チームラボの協力のもと、こちらの提供を開始しました。
また、「GENOVA SMART One」では快適な医療体験を提供できるよう、予約・問診・決済がデジタル上で完結するサービスの提供を開始しています。こちらは受付ゼロを目指しているスマートクリニック事業の一環で、4月に開業した京都のソウクリニック四条烏丸へさっそく導入してもらいました。
今後の成⻑戦略
当社では現在、メディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業の両事業におけるオーガニックな成長に加え、さらなる非連続的な成長を続けるために、新たな商材の創出や新たな事業提携、アライアンスをこれからも追求していきたいと思っています。
当社のミッション・ビジョンを実現するために、今後もサービス展開を進めていきます。また、新型コロナウイルスによる感染症が収束した2023年を、我々は「医療DX元年」と位置付け、今期は全社一丸となって取り組んでいきたいと思っています。引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上で決算説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
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