【IRアナリストレポート】ピーシーデポコーポレーション(7618)

著者:鈴木 行生
投稿:2023/03/20 10:48

~プレミアム会員を軸としたサブスク型ビジネスモデルへ一新~

【ポイント】
・プレミアム会員の純増は着実ながら、計画を下回っている。会員獲得単価(CPA)を検討しながら、マーケティングを進めている。オミクロン株の影響で、店舗への会員集客が制約を受けた。新規会員の獲得に向けて、「Key Station」、「友の会」、「くらしのデジタル館」など、新しい展開を始め、インサイドセールスの強化に向けて、デジタルライフプランナーの会員訪問も強化しているが、成果はまだ十分でない。

・デジタル生活の情報発信とコミュニケーションの拠点となる「横濱Key Station」が昨年7月から稼働した。新本社に併設する新たな価値創造のステーションとして、リアルなプレイスに招いたり、スタジオから会員向けネット放送を実施したりすることで、会員獲得とインサイドセールスの拡大を図っている。

・2021年5月から独自のサブスクリプションモデルへの完全移行をスタートさせた。すでに10年かけてプレミアム会員中心の事業へシフトしてきた。広義のサブスク会員は2021年年3月末で45万人(ARPU3500円)、そのうちデジタル担当が付いているプレミアム会員(NCS)は同9.7万人(同8053円)であったが、昨年12月末のNCSは12.3万人(同8247円)へ増加した。今後も、人材の増強と広告宣伝に先行投資を継続する。

・会員シフトを強化しており、ここ数年、一般顧客向けの商品販売が大きく減少している。先行投資もあって、今2023年3月期の営業利益は横ばい圏に留まろう。来2024年3月期もNCS会員の獲得に向けて、新たなサブスク会員主体の拠点「CLUB HOUSE」(クラブハウス)をスタートさせる。

・このクラブハウスは、DLP(デジタルライフプランナー)が小商圏のファミリーに直接アクセスして、サブスク会員を増やしていく。まずは所沢に開設される。期待通りなら、低設備投資、高粗利が見込める。カギは人材育成にあり、人的資本投資が継続しよう。

・既に売上の50%はサブスク型であるが、これを3~5年で80%まで高める計画である。新しいビジネスモデルへの転換は先進的でユニークである。来期もトライアルが続くが、新規加入が増えてくるにつれて、収益性は以前より向上してこよう。

目次
1.新ビジネスモデル 独自のサブスク型へフルモデルチェンジ
2.特色 インターネットデバイスのサービス専門店へ転換
3.強み サービス収入主力の収益構造へシフト
4.今後の展開 メンバー(会員)との結びつきを強化し、関係人口作りへ
5.当面の業績 NCS(ニューカスタマーサクセス)会員の獲得に向け先行投資
6.企業評価 NCSの新規加入増に向けて、攻めの局面

ピーシーデポコーポレーション <7618>
企業レーティング
株価
(2023年3月17日)
296円
時価総額 156億円
(52.622百万株)
PBR 0.54倍
ROE 3.4%
PER 16.6倍
配当利回り 4.7%
総資産 36926百万円
純資産 26494百万円
自己資本比率 71.6%
BPS 544.4円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2014.3 53772 2256 2357 1536 38.0 4.7
2015.3 51261 3045 3162 1914 42.0 6.9
2016.3 51729 4086 4139 2693 56.9 9.6
2017.3 46417 3402 3467 2269 44.1 13.0
2018.3 43590 2981 3079 1958 38.6 13.0
2019.3 40447 2579 2685 1553 30.9 13.0
2020.3 39137 2941 3018 1718 34.2 13.0
2021.3 38312 2893 2935 1854 36.8 13.5
2022.3 33024 1451 1519 765 15.2 14.0
2023.3(予) 31000 1500 1500 900 17.8 14.0
2024.3(予) 32500 2000 2000 1200 23.7 14.0

(2022.12ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2013年10月に1:100、2015年1月に1:1.5、2016年10月に1:1.2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当については修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/pcdepo202303.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

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