グッピーズ、人材サービス事業を牽引役に順調に成長 歯科業界での高い認知度を武器に3つの成長戦略を実行
目次
肥田義光氏:株式会社グッピーズの事業計画及び成長可能性に関する説明資料について、補足させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
スライドに記載の順番でご説明させていただきます。まずは会社概要です。
1-1.ミッション
当社の事業内容を一言で言うなら「歯科領域に強みを持つITサービスカンパニー」です。ミッションは「Goodな発想で、世界をHappyに」です。
1-2.基本情報
基本情報です。当社は2000年9月に設立し、2022年5月末時点で72名の社員がいます。
1-3.事業内容
事業内容は、人材サービス事業、ヘルスケア事業の2つのセグメントとなっています。
人材サービス事業では、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。 ヘルスケア事業では、健康管理アプリを提供しています。
1-4.セグメント情報
セグメント別の業績はスライドに記載のとおりです。左の図の人材サービス事業については、順調に成長しています。売上の82.3パーセントが歯科業界です。
右の図のヘルスケア事業については、初期投資が一巡し、赤字は縮小傾向にあります。
1-5.ビジネスフロー
ビジネスフローです。中途サービスは主に閲覧課金制、新卒サービスは期間掲載型のサービスとなっています。当社の特徴でもある閲覧課金がどういう仕組みかは後ほどご説明します。
ヘルスケア事業は、法人の場合、従業員1人あたりの従量課金制です。自治体は年契約の定額制となっています。
1-6.人材サービス事業:中途向けサービス
中途向けサービスは、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。このうち特に、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士等の歯科業界に強みを有しており、売上の9割以上を占めています。
全国の歯科医院数は約6万8,000軒とコンビニエンスストアよりも多く、人材獲得が歯科医院経営の大きな悩みとなっていますが、当社は人材獲得で価値の高いサービスを提供しています。
また、料金形態別に見ると、歯科業界向けの閲覧課金売上が9割以上を占めています。歯科業界以外の職種については、「その他」の成功報酬型の課金となっています。
1-7.人材サービス事業:閲覧課金の仕組み
閲覧課金について補足してご説明します。求人広告を出す法人は、プリペイド方式で、ポイントを購入します。ポイントを購入すると求人サイト上に求人を掲載でき、求職者が求人をクリックすると120ポイント、約120円が消費されます。
ポイントがなくなった時点で掲載終了となりますが、追加でポイントを購入すれば引き続き掲載できます。仮に最初に見た人ですぐに採用が決まったら、約120円で採用できたことになります。
閲覧課金は「Google」や「Yahoo!」のリスティング広告(クリック課金)と同様な仕組みですが、1クリックは120ポイントと固定された低料金であるという点が独自のサービスとなっています。
1-8.人材サービス事業:歯科業界での実績
当社の人材サービス事業は、歯科業界向けに強みを持っています。左の図のとおり、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の歯科3職種の求職者は、毎年概ね1.1万人増加し、ユニーク訪問数でも5年で2.1倍増加しています。
一方、右の図のとおり、歯科3職種の当社会員登録者数は、全資格者数の16パーセント、就業者数の42パーセントを占めており、歯科業界において一定のプレゼンスを有するとともに、まだ大きな開拓の余地が残されていると考えています。
1-9.人材サービス事業:新卒向けサービス
ここからは新卒向けサービスのご説明です。新卒向けサービスは「就職サイト」と「就職情報誌」に求人を掲載することができる、期間掲載型の固定料金です。
また医療・介護・福祉業界は国家資格が必要な職種が多く、学生向けに国家試験対策アプリも提供しています。特に歯科衛生士を目指す学生についてはおよそ8割が当社の国家試験アプリを利用し、学生との接点獲得につながっています。
1-10.ヘルスケア事業:法人向け
ヘルスケア事業についてご説明します。左の図のような、19種類の機能が1つになった健康管理アプリを提供しています。従業員がこのアプリをスマホにインストールし、歩いたり体重や食事を記録したりすると「健康ポイント」を獲得することができます。一定の健康ポイントがたまると、「Amazonギフト券」に交換することができます。
従業員は無料で利用でき、所属する企業等の法人が、従業員1名当たり月額300円等の費用を負担する仕組みとなっています。利用法人数は年々増加しています。
1-11.ヘルスケア事業:自治体向け
当アプリは自治体向けにも提供しています。法人向けと同様の機能で、住民が健康ポイントをためると抽選で賞品と交換できる仕組みです。2023年8月期もすでに1つの自治体での新規導入が確定しています。
1-12.業績の推移
全社ベースの業績はスライドに記載のとおりです。人材サービス事業を牽引役として、コロナ禍においても堅調に業績を伸ばしてきました。
2 市場環境
ここからは市場環境についてご説明します。
2-1.医療・福祉分野の人材ニーズ
医療・福祉分野では、高齢化の進行に伴い就業者数の増加が見込まれています。
2-2.医療人材サービス市場
左の図のとおり、医療・介護業界では、国家資格が必要な職種も多く、全産業と比べても高い求人倍率となっています。
右の図のとおり、医療人材サービスの市場拡大も見込まれています。
2-3.人材の流動化が進む歯科衛生士
当社が強みとする歯科業界の状況についてご説明します。歯科関連3資格保有者も増加しています。特に歯科衛生士は過去11年で30パーセント増加しています。
歯科衛生士は毎年6,000人から7,000人が新しく誕生していますが、ライフステージに伴い就業と離職を繰り返す傾向があるため、就業しているのは約半分です。さらに就業者のうち常勤で働いているのが56.2パーセントです。
歯科医院側の需要は高止まりしている一方で、歯科衛生士は短いサイクルで転職活動を行うため、歯科衛生士が毎年増えていても、常に活発な市場となっています。
2-4.採用コストに対する医療機関の捉え方
一般的に人材紹介の手数料は30パーセント程度ですが、医療業界では20パーセント程度です。それでも医療機関は手数料が高いと感じています。その理由は、収入源が健康保険で価格が定められており、人件費率が高いため、人材獲得のための費用も限られてしまうからです。
私たちは、ここにビジネスチャンスがあると考えています。求人サイトでは人材紹介に比べ大幅な採用コストの削減が可能です。
2-5.拡大するヘルスケア市場
ヘルステック市場は、2025年までに年平均で17.8パーセント成長するという見通しです。
3 特徴・強み
ここからは当社の特徴と強みをご説明します。
3-1.3つの強み
特徴・強みは3つあります。
3-2.ユニークなサービスポジション
強みの1つ目はユニークなサービスポジションです。当社と類似したサービスとしては、例えば、業種を特定せず幅広くアルバイト求人を掲載するようなサイトや、エージェントを使った人材紹介サービスなどが存在します。
私たちの求人サイトの最大の特徴は「業種に特化」し、しかも「閲覧課金」ということです。閲覧課金の参入障壁は高いと考えています。理由は、システム開発に時間とコストがかかり、求人者だけでなく求職者も集まらないとビジネスが成立せず、しかもリスクが高いからです。
大手の求人サイトや人材紹介の成果報酬型とは差別化したポジションを取っています。
3-3.ユニークなポジションを実現できる背景
先ほどお伝えしたように、業種特化型の閲覧課金は求人者、求職者ともにメリットのあるサービスです。求人者は低コストで専門職へリーチすることができます。求職者は新鮮で数多くの求人の中から選ぶことができます。
求人が掲載され続けることにコストがかかるため、現在募集中の新鮮な求人のみに求職者がアクセスできる点も閲覧課金の特徴です。
国内の歯科医院の約4分の1と取引があり、すでに業界内で一定のプレゼンスを築いていることが、競争上の優位性となっています。人材紹介のように、コストが高いという不満が生じたり、成功報酬型の求人サイトのように古い求人情報がいつまでも掲載されているようなことはありません。
このように、業種特化型、かつ、閲覧課金型であることにより、求人者・求職者、当社の三方よしが実現しています。
3-4.歯科業界における高い認知度と評価
強みの2つ目である歯科業界における高い認知度と評価についてご説明します。全国の歯科医院の26.8パーセントが当社の求人サイトに登録しています。現時点で約1万9,000法人のアカウントを発行しています。そして求人数も過去5年成長率は21.8パーセントとなっています。このことから歯科医院から評価を得ていることがわかります。
3-5.クリック単価の適正化とスカウト機能の強化
左の折れ線グラフは、平均クリック単価の推移を表しています。これはポイント消費による売上高を、クリック数で割ったものです。
1クリック当たりの単価値上げによる上昇もありますが、それ以外の期間も緩やかに上昇しています。閲覧によるポイント消費以外では、1回1,000ポイントのスカウトなどのオプションの利用が増えているためです。
2020年8月期、2022年8月期にクリック単価の値上げを行っていますが、求人件数等は増加しており、依然として人材紹介等に比べると割安であると考えています。
3-6.求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップ
強みの3つ目は、求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップです。当社のサービスは学生時代から「就職活動」や「国家試験対策」のサービスを提供し、認知度の向上を図っています。国家試験アプリを利用するには当社の会員登録が必要なため、学生時代にユーザーを確保することができます。
当社は新卒向けサービスで学生時代から会員化し、卒業後の転職の際に、当社求人サイトを利用してもらえるように取り組んでいます。
4 成長戦略
続いて成長戦略です。
4-1.3つの成長戦略
成長戦略には3つの柱があります。
4-2.歯科業界の顧客開拓・集客の強化
1つ目は歯科人材サービスの付加価値拡大です。当社は特定の歯科医院に売上を頼るわけではなく、数多くの歯科医院に利用されています。67パーセントの歯科医院が年10万円未満のポイント購入額となっています。
歯科医院の開拓・深掘りについて、年間ポイント購入金額の大きな顧客には、顧客満足度の向上で取引拡大を目指しています。一方10万円以下の法人については、一次的な利用に留まってしまっていたり採用に結びつく前に掲載を取りやめてしまっていたりするケースもあると考えていることから、スカウトなどの付加価値サービスの利用を促進し採用確度の向上を目指します。
また求職者については適切な広告運用による獲得を続けており、今後も一層の求職者の獲得に向けた広告運用をしていきます。
4-3.閲覧課金の付加価値拡大
閲覧課金だけでなく、付加価値単価も増加傾向にあります。求人を掲載するだけでなく、登録している求職者にスカウトを送るサービスの利用も増加していることが主な要因です。1通あたり1,000ポイントの消費があり、機能を改善した2021年8月期からはスカウト利用率が大幅に上昇しています。
それ以外にも求人作成サポートやオプション広告、医院紹介動画など付加価値向上のためのサービスを拡大しており、求人者のさまざまなニーズに対応していきます。
4-4.歯科周辺ビジネスへの参入
2つ目は歯科周辺ビジネスへの参入です。私たちにとって重要な顧客である歯科医院の大きな課題は2つあります。1つは人材の獲得、もう1つは患者さんの集客です。
当社の求人者とのつながりを活かし、2023年8月期は集患プラットフォーム・サービスの展開を行うことで、歯科業界へのさらなる進出を狙います。
4-5.イベント開催でヘルスケア事業の顧客拡大
3つ目はイベント開催をきっかけに、ヘルスケア事業を拡大することです。スマホでできるウォークラリーを年に2回開催し、当アプリを使ってもらい、受注獲得につなげたいと考えています。
ヘルスケア事業の黒字化は2025年8月期をめどに達成したいと考えています。それまでは、開発・営業人材への投資を優先していきます。
4-6.経営指標
主要経営指標については、スライドに記載のとおりです。
4-7.成長シナリオ
最後に、今後の成長イメージです。人材サービス事業については、引き続き歯科業界を中心に拡大を目指すとともに、ヘルスケア事業及び歯科集患サービスをはじめとした歯科周辺事業の成長も目指します。
以上、当社の概要及び成長可能性についてご説明させていただきました。
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