ドル売り継続、ポンドドル1.21台半ばへ 英中銀委員はインフレ持続を警戒=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2023/02/09 20:45
ドル売り継続、ポンドドル1.21台半ばへ 英中銀委員はインフレ持続を警戒=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル売りが継続している。米債利回りがやや低下しており、欧州株や米株先物・時間外取引が堅調など前日NY市場でのドル高・株安・債券利回り上昇などの反動がでているようだ。ロンドン朝方にはドル円が波乱の展開となった。日銀人事関連の報道を受けて131円台前半から130.80近辺まで急落後、すぐに131.70近辺に反発を荒っぽい値動きを示した。ロンドン時間にはいると全般的なドル売りの流れに押されて130.75近辺に安値を広げている。ユーロドルは東京市場で1.07台前半でじり高の動きを示したが、ロンドン市場でも買いが広がり、高値を1.0778近辺に伸ばしている。1月ドイツ消費者物価指数は前年比+8.7%、EU基準前年比+9.2%といずれも市場予想を下回ったが、ユーロ売り反応は限定的だった。ポンドドルは1.21台乗せから一時1.2159近辺まで高値を更新した。先週の英経済報告の証拠を示す目的でベイリー英中銀総裁らが議会証言を行っている。インフレに関する認識は硬軟両面が示されているが、ポンドは底堅く推移しており、インフレが予想以上に持続するリスクを警戒していたようだ。また、スウェーデン中銀は予想通り50bp利上げを実施した。声明で今後の追加利上げやQT開始について言及されたことでクローナ買いの反応が広がっていた。ドル安圧力となる一因ともなったようだ。

 ドル円は131円付近での取引。東京午後に日銀人事関連の報道を受けて乱高下。130.80まで急落後、131.70近辺まで急反発する場面があった。その後はロンドン時間にかけてのドル売り圧力に押されている。ロンドン序盤には130.75近辺に本日安値を広げている。欧州株や米株先物は堅調に推移するなか、米10年債利回りは3.58%台へと小幅に低下している。

 ユーロドルは1.07台後半での取引。東京朝方につけた1.0710近辺を安値にその後は堅調に推移している。ロンドン朝方に1.0720台に下押しされたあとは買いが強まり、高値を1.0778近辺に伸ばしている。ユーロ円は東京午後に140.48から141.33まで振幅したあとは上値が重くなり140.60台へと軟化。その後は141円ちょうど付近に反発と、レンジ内での上下動にとどまっている。対ポンドではユーロ売りが先行したが、次第に値動きは落ち着いている。

 ポンドドルは1.21台前半での取引。東京午前につけた1.2057近辺を安値に、その後は買いの流れとなっている。ロンドン序盤に1.21台に乗せると、高値を1.2159近辺に更新した。足元では買い一服。ポンドドルは東京午後に158.16から159.15で振幅したあとはレンジ内での推移。ロンドン朝方に158.50付近に下げた後一時159円台乗せまで上昇している。ユーロポンドは0.8880近辺から0.8860近辺へと軟化した後は揉み合い商状になっている。ベイリー英中銀総裁などの議会証言ではインフレ認識がまだ定まらない状況。今後の大幅低下が見込まれるとしながらも、想定よりも根強いインフレが警戒されていた。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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