パウエル会見を受けドル売り加速 タカ派ではあったが、思ったほどではない印象=NY為替概況
きょうのNY為替市場は後半にドル売りが加速した。午後にFOMCの結果が発表され、FRBは大方の予想通りに利上げ幅を0.25%ポイントに縮小して来た。その後のパウエル議長の会見を受けてドル売りが加速している。議長の会見はタカ派姿勢の継続は強調していたものの、停止まであと2回の利上げを検討していることや、利上げ停止後に再開する選択肢は検討していないこと、そして、財のディスインフレ過程は始まっていることなどに言及していた。タカ派な会見ではあったものの、思ったほどではないといった印象だ。
ターミナルレート(最終到達点)は5.00-5.25%で、0.25%ずつ3月に1回、5月か6月に1回で終了といったシナリオかもしれない。なお、議長は年内の利下げ観測を否定していたが、本日の会見を受けても、市場は年内利下げ期待を変えていない。
ドル円は一時128円台に急落。本日の21日線は130.30円付近に来ているが、再び下放れる展開となっている。目先の下値サポーとは1月安値の127円台前半が意識される。
ユーロドルは昨年4月以来の1.10ドルを一時回復する場面が見られた。1.09ドル台に観測されていた上値抵抗を突破しており、明日のECB理事会を受けて、1.10ドルを上抜いて行くか注目される。
明日のECB理事会は0.50%ポイントの利上げが確実視されている。そこのと自体は織り込み済みで、市場の関心は3月以降の理事会がどうなるのか注目している。ラガルド総裁を始め、ECB理事からはタカ派な発言が相次いでおり、3月の理事会でも0.50%ポイントの大幅利上げを続けるとの見方が市場では優勢となっている。
しかし、12月の理事会以降の経済指標からは明確なイメージはまだ得られておらず、利上げは継続されるであろうが、0.25%ポイントに減速する可能性も捨て切れないといった声も少なからず出ている。きょうのユーロ圏の経済指標は、その決定打がない状況をさらに複雑にしている。ロンドン時間に1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が公表された。コア指数は前回同様の伸びを示したものの、総合指数は前月比で予想外のマイナスとなり、前年比でも予想を大きく下回る鈍化を示している。
ラガルド総裁は12月の理事会で、2月も3月も0.50%ポイントの大幅利上げを示唆していた。しかし、今回のHICPを受けて市場からは、「ECBは次の行動を明示することで市場を誘導しようとするのではなく、1回1回の理事会に再び焦点を当てるよう市場を誘導する方向に変える可能性もある」との指摘も出ている。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(1月)19:00
結果 8.5%
予想 9.0% 前回 9.2%(前年比)
結果 -0.4%
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
結果 5.2%
予想 5.1% 前回 5.2%(コア・前年比)
ポンドドルは1.23ドル台後半に買い戻されている。明日は英中銀金融政策委員会(MPC)が開催され、0.50%ポイントの利上げが有力視されている。しかし一部からは、英中銀は0.25%ポイントの小幅利上げを選択する可能性もあるとの見方も出ているようだ。
今年下半期のインフレが従来予想よりも大幅に低下することが予想されることから、明日のMPCで利上げペースをコンセンサス予想の0.50%ポイントではなく、0.25%ポイントに減速させる可能性があるという。
ただ、金融市場では、0.50%ポイントの利上げ確率を82%程度で織り込んでいる状況ではある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
ターミナルレート(最終到達点)は5.00-5.25%で、0.25%ずつ3月に1回、5月か6月に1回で終了といったシナリオかもしれない。なお、議長は年内の利下げ観測を否定していたが、本日の会見を受けても、市場は年内利下げ期待を変えていない。
ドル円は一時128円台に急落。本日の21日線は130.30円付近に来ているが、再び下放れる展開となっている。目先の下値サポーとは1月安値の127円台前半が意識される。
ユーロドルは昨年4月以来の1.10ドルを一時回復する場面が見られた。1.09ドル台に観測されていた上値抵抗を突破しており、明日のECB理事会を受けて、1.10ドルを上抜いて行くか注目される。
明日のECB理事会は0.50%ポイントの利上げが確実視されている。そこのと自体は織り込み済みで、市場の関心は3月以降の理事会がどうなるのか注目している。ラガルド総裁を始め、ECB理事からはタカ派な発言が相次いでおり、3月の理事会でも0.50%ポイントの大幅利上げを続けるとの見方が市場では優勢となっている。
しかし、12月の理事会以降の経済指標からは明確なイメージはまだ得られておらず、利上げは継続されるであろうが、0.25%ポイントに減速する可能性も捨て切れないといった声も少なからず出ている。きょうのユーロ圏の経済指標は、その決定打がない状況をさらに複雑にしている。ロンドン時間に1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)の速報値が公表された。コア指数は前回同様の伸びを示したものの、総合指数は前月比で予想外のマイナスとなり、前年比でも予想を大きく下回る鈍化を示している。
ラガルド総裁は12月の理事会で、2月も3月も0.50%ポイントの大幅利上げを示唆していた。しかし、今回のHICPを受けて市場からは、「ECBは次の行動を明示することで市場を誘導しようとするのではなく、1回1回の理事会に再び焦点を当てるよう市場を誘導する方向に変える可能性もある」との指摘も出ている。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(1月)19:00
結果 8.5%
予想 9.0% 前回 9.2%(前年比)
結果 -0.4%
予想 0.1% 前回 -0.4%(前月比)
結果 5.2%
予想 5.1% 前回 5.2%(コア・前年比)
ポンドドルは1.23ドル台後半に買い戻されている。明日は英中銀金融政策委員会(MPC)が開催され、0.50%ポイントの利上げが有力視されている。しかし一部からは、英中銀は0.25%ポイントの小幅利上げを選択する可能性もあるとの見方も出ているようだ。
今年下半期のインフレが従来予想よりも大幅に低下することが予想されることから、明日のMPCで利上げペースをコンセンサス予想の0.50%ポイントではなく、0.25%ポイントに減速させる可能性があるという。
ただ、金融市場では、0.50%ポイントの利上げ確率を82%程度で織り込んでいる状況ではある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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