NZドル/円は下値しっかりの相場付きが継続しそう
【注目ポイント】「87.500円」(=『87.50の壁』)を上抜け突破するか否か
【シナリオ①】同レートを上抜け突破なら、「90.000円」付近までの上昇
【シナリオ②】同レートでの上値抑制なら、「85.000円」付近までの下押し
【季節的アノマリー】『NZドルは12月中旬から年末にかけて上昇しやすい』
NZドル/円の日足チャートにおける注目ポイントとしていた「87.500円(=日足・BB[ボリンジャーバンド]・+2σライン)超え成否」ですが、本稿執筆(9日午前8時)時点では「上抜け未達」となっています。
NZドル/円の相場俯瞰図を見るために、週足チャートを見ていきましょう。
図1にある各メルクマールを見てみると、1) 26週MA(移動平均線)が若干右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足上放れとなる“好転”が示現しつつあること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが収斂し、ADXが右肩下がりになっている(図1赤色点線丸印)ことから、NZドル/円・週足チャートは緩やかな上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
目先の注目ポイントは・・・今年3月から継続する心理的な上値抵抗水準である「87.500円」(上図黄色矢印および黒色線)、いわゆる『87.50の壁』を上抜け突破するか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて、「87.500円」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「心理的な上値抵抗水準突破」→「もう一段の上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク継続」や「遅行スパンの“好転”示現」、また「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、心理的節目である「90.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇もあり得そうです。
[シナリオ②]
一方で、「87.500円」付近で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の増大(=『87.50の壁』」→「一旦の下押し」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、約半年間における市場参加者の平均コストを示す26週MAを基準とする「85.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しとなりそうです。多少のアンダーシュートもあり得そうですが、現時点では青色雲が比較的厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、下値余地は限定的と言えるしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、今後のNZドル/円にとって、もう一段の上値切り上げに際しては「87.500円超え成否」(=『87.50の壁』突破成否)が重要なポイントとなりそうです。
そんな中、NZドルの季節的なトレンドパターンを見る上でシーズナル・チャート(出所:Equity Clock、図2)を見ていきましょう。
NZドルの12月アノマリーは?
図2からも分かる通り、NZドルは、「過去20年のデータ(02/1~21/12)では、12月初めから中旬にかけて“は往って来い”の相場付きとなりやすい一方で、同月中旬から年末にかけては大きく上昇しやすい」(図2黄色四角枠)という季節的な傾向・パターン(=アノマリー※)が見られます。(※アノマリー:明確な理論的根拠があるわけではないものの、相場においてよく当たるとされる経験則や事象のこと。)
上記についてはあくまで季節的なアノマリーであり、今回の12月相場も必ずそうなるという結論には至りませんが、あくまで相場の傾向・パターン、ないしは“クセ”として捉えていただき、今後のトレード・アイデアの一助としてご参考にしていただければ幸いです。
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