FRBの政策転換とリスク志向の改善なしにドル高が修正される可能性は低い=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2022/10/07 23:55
 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円は145円台を再び回復している。朝方発表の米雇用統計がFRBのタカ派姿勢を正当化する内容となったことから、発表後にドル買いが強まった。

 非農業部門雇用者数(NFP)は26.3万人増と前回から増加幅は鈍化しているものの、力強い雇用を示している。また、失業率は3.5%と半世紀ぶりの水準に低下した。最近注目されている労働参加率が低下したことも注目される。市場は、パンデミックで労働市場から離れていた潜在労働者が労働市場に戻ってくることで労働需給が改善し、ひっ迫感が緩むと期待している。しかし、今回の労働参加率低下はその期待を後退させる内容となっていた。

 米雇用統計発表後に米国債利回り上昇、株安、為替市場はリスク回避のドル買いが見られている。市場ではFRBが積極引き締めを続けるとの見方から、安全資産に人気が集まっている。そのため、ドルは当面下げに転じることはないとの見方も出ている。

 FRBが制限的な政策スタンスを緩和させ、さらに、地政学リスクの緩和、エネルギー供給の安定性、経済リスク軽減によって、市場のリスク許容度が向上するまでは、ドルは地合いを変えることは難しいという。

米雇用統計(9月)21:30
非農業部門雇用者数
結果 26.3万人
予想 26.4万人 前回 31.5万人

失業率
結果 3.5%
予想 3.7% 前回 3.7%

平均時給
結果 0.3%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 5.0%
予想 5.1% 前回 5.2%(前年比)

労働参加率
結果 62.3%
予想 62.4% 前回 62.4%

USD/JPY 145.16 EUR/JPY 141.93
GBP/JPY 161.27 AUD/JPY 92.81

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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