オミクロンは今月のECB理事会に影響との見方も=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/12/03 01:12
 ユーロドルは1.13ドル台前半から半ばでの狭い範囲での上下動が続いている。先月下旬からのリバウンド相場の流れは維持しているものの、21日線までの回復には慎重なようだ。本日の21日線は1.1370ドル付近に来ている。ユーロドルに関しては弱気な見方が根強く、買い戻しを強める材料もない。年末に向けたポジション調整で買い戻されているものと見られ、自律反発の域は出ていない。

 市場の一部からは、オミクロン株の出現は今月16日のECB理事会に影響を及ぼすとの見方も出ている。今回の理事会ではECBの経済見通しも公表されるが、直近の高いインフレ指標から、インフレ見通しは上方修正してくることが予想されている。ただ、ラガルド総裁は会見で来年の利上げは選択肢にはないことも強調してくる可能性が高い。

 市場はパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)に関するヒントを探っているが、来年3月末で終了との既定路線に変更はないと見られている。問題はその後の対応だが、ECBはハト派スタンスを継続し、量的緩和(QE)継続に向けて債券購入への柔軟性は残すものと見られている。

 ただ、前日にECB理事会の一部メンバーはPEPP終了後の政策に関する決定を来年2月の理事会まで延期したいと考えているとの観測報道が伝わっていたが、今回の理事会では具体的な内容までは踏み込まない可能性もありそうだ。

EUR/USD 1.1316 EUR/JPY 127.90 EUR/GBP 0.8498

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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