ドル円は上値追いのモメンタム維持 パウエル再任に不透明感も=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/10/21 01:00
 きょうも為替市場はドルの戻り売りが優勢となる中、ドル円も緩やかな戻り売りに押されているものの、114円台は堅持しており上値追いのモメンタムは維持しているようだ。前日は一時113円台に下落する場面がみられたものの、しっかりと下値をサポートされたことで、ロング勢も上値への自信を深めたようだ。心理的節目の115円を視野に入れた動きが続いている。

 先週以降、ドルは戻り売りが優勢となっているが、リスク志向の高まりでドルの逃避買い需要が後退していることが要因とみられる。ただ、年末にかけてのインフレ懸念やサプライチェーン問題、そして、人材不足などがFRBの利上げ期待を高めることから、この動きは長続きしないという見方も依然として多い。

 一方、ドル高一服の動きはバイデン大統領がパウエルFRB議長を再任させるか不透明になっている点も要因として指摘されている。パウエル議長は再任に前向きとも言われているが、2人の地区連銀総裁による疑わしい金融取引が再任の見通しに暗雲を投げかけている。また、ここに来て、パウエル議長自身が昨年10月に保有していた株式投資信託を最大500万ドル売却していたと報じられている。FRBの倫理規定には該当していないようだが、新型ウイルスの追加経済対策を巡る調整が難航していた時期でもあり、道義的責任を追及される可能性もありそうだ。

 なお、米民主党の重鎮エリザベス・ウォーレン上院議員は議長が金融規制に温和として再選を支持しない意向を示していた。

USD/JPY 114.25 EUR/JPY 133.02
GBP/JPY 157.90 AUD/JPY 85.82

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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