ドル円、クロス円がじり高、欧州株や米株先物に調整の動きも=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/09/17 20:10
ドル円、クロス円がじり高、欧州株や米株先物に調整の動きも=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、円売りが優勢。ドル円が東京午前の高値を上回り109.99レベルまで高値を伸ばした。ユーロ円も129円台前半から129.60近辺へとじり高。ポンド円は151円台後半、豪ドル円は80円台半ばへと高値を伸ばした。ただ、欧州株が序盤を上げを消し、マイナスに転換。米株先物もマイナスに転じている。NY原油は72ドル近辺へと反落。全般に調整ムードが広がっているものの、リスク回避的な円高の動きは限定的。実需などフロー主導の展開となっているもよう。デコス・スペイン中銀総裁は、現状では2023年の利上げは容認されない、と述べており、一部で報じられた早期利上げ観測を否定した。一方、カザークス・ラトビア中銀総裁は、インフレ見通しが上昇修正される可能性と指摘した。

 ドル円は109円台後半での取引。東京午前にゴトウビ関連のフローで買われたあと、やや値動きが停滞した。しかし、ロンドン時間に入ると再びじり高の動きとなっている。クロス円とともに上昇し、109.99レベルと110円目前の水準まで買われている。欧州株が序盤に上昇を消し、米株先物がマイナス圏で推移するなど、調整ムードが広がっているが、特段のリスク回避の円買いにはつながっていない。米10年祭利回りは1.33%台を中心に揉み合いとなっている。

 ユーロドルは1.17台後半での取引。東京市場から引き続きじり高となっている。1.1770近辺から一時1.1787レベルまで一段高となった。ユーロ円が堅調な流れとなっている。129円台前半から129.61レベルまで上昇し、その後も高止まりしている。この日は対ポンドでのユーロ買いが入っており、ユーロ相場の下支えとなっている。デコス・スペイン中銀総裁は、現状では2023年の利上げは容認されない、と述べており、一部で報じられた早期利上げ観測を否定した。一方、カザークス・ラトビア中銀総裁は、インフレ見通しが上昇修正される可能性と指摘した。8月ユーロ圏消費者物価指数確報値は前月比+3.0%、コア前年比+1.6%と、速報値から変化はなかった。

 ポンドドルは1.37台後半での取引。ロンドン序盤に1.3813レベルまで上昇したあと、1.3776レベルまで軟化。前日からのレンジ内で方向感に欠ける値動きになっている。ポンド円は売買が交錯も、ロンドン序盤に151.87レベルまで高値を伸ばしている。その後も151円台半ばではサポートされている。ユーロポンドは0.8520近辺から0.8550近辺へと上昇。ポンドの上値を重くした。8月の英小売売上高は前月比-0.9%と予想外のマイナスとなった。前年比も横ばいと事前の上昇予想を下回った。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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