メキシコペソ/円、週足SARが買いシグナル転換!

著者:津田隆光
投稿:2021/09/10 10:22

足もとでは一旦「5.500円」割れを示現

メキシコペソ/円・日足・複合チャート
メキシコペソ/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント1】26週BB・±2σラインの“スクイーズ”
【注目ポイント2】週足先行スパンの形状
【見通し①】“スクイーズ”継続なら、「5.400円」付近までの下押しも
【見通し②】「5.600円」超えなら、「6.000円」付近までの上値トライも視野

本題に入る前に、まずは日足チャートの確認をしましょう。

メキシコペソ/円の目先の注目ポイントとして見ていた「ローソク足の21日BB(ボリンジャーバンド)・+1σライン(≒5.500円)上抜け突破成否」。(※9/3時点観測レート)

今週6日に同ラインを終値ベースで上抜け突破し、しばらくの間「5.500円」(上図緑色線)を上回る展開となっていたものの、足もとでは、昨日9日に発表されたメキシコ8月CPI結果が予想値を下回ったこと、さらには、その相関性が比較的高いWTI原油先物相場が約2週間ぶりの安値を付けたこともあり、9日の終値ベースで一旦「5.500円割れ」となっています。

そんな中、メキシコペソ/円の比較的長いトレンドを確認するために、タイムフレームを週足チャートに替えて観察してみましょう。

週足チャートでは「下値しっかり継続」を示唆!

メキシコペソ/円・週足・複合チャート
メキシコペソ/円・週足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

上図の各メルクマールを見ると、1) 26週MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)が今週に入りローソク足の下方に転換したこと、4) BB・±2σラインが26週MAに向かって収縮する“スクイーズ”となっていること、そして、5) DMI(方向性指数)で、-DI>+DIとなっている(上図青色点線丸印)ことから、メキシコペソ/円・週足チャートでは、緩やかな上昇トレンド継続を示唆するチャート形状であると判断します。

注目すべきポイントは2点。

まず1点目は、上述の通り、BB・±2σラインが26週MAに向かって収縮する“スクイーズ”となっていること。当該シグナルは、「相場の力を溜め込む時間帯」を示唆していることから、現状は相場の力の発散/放出(=このケースでは、上向きのトレンド発生)に向けた準備の時間帯と捉えて良いでしょう。

そして2点目は、青色雲である先行スパンの上下辺(=先行1・2スパン)に比較的大きな乖離があること。当該形状は、「強い下値サポート帯」を示唆していることから、当面のメキシコペソ/円は、下値しっかりの相場付きが継続しそうです。

以上を踏まえた上で、筆者が予想する今後のメキシコペソ/円の見通し①②は以下の通りです。


[見通し①]
これからの時間にかけて、“スクイーズ”の継続に伴いながら、一旦下値を探る可能性も。そのケースでは、青色雲である先行スパンの上辺(=先行1スパン)を基準とする「5.400円」(上図B)付近までの下押しも想定すべきでしょう。
ただし、上述の通り、ローソク足の下方には「強い下値サポート帯」が待ち構えていることから、その下値は限定的となりそうです。

[見通し②]
一方で、ローソク足が上値抵抗線として機能するBB・+2σラインを基準とする「5.600円」(上図A)を終値ベースで上抜け突破した場合は、BB・±2σラインの拡張である“エクスパンション”も伴いながら、もう一段の上値切り上げとなる可能性も。
BB・+2σラインについては、2020年コロナ・ショック前後の高安レート(高値:5.992円[20/2/20、上図Ⓗ]、安値:4.221円[20/4/6、上図Ⓛ])を結んだフィボナッチ・リトレースメントの76.4%戻し水準と近似値であることから、メキシコペソ/円における上値重要ラインと捉えて良いでしょう。
よって、そのケース(=「5.600円」突破)では、心理的水準である「6.000円」(上図水色線)付近までの上値トライも視野に入れるべきでしょう。


上記見通し①および②につき、今後のメキシコペソ/円におけるトレード・アイデアの一助になれば幸いです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想