根強いドル安でドル円の上値重い ただ、円は売られやすい環境にあるとの指摘も=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/06/02 00:34
 きょうのドル円は上値の重い展開が続いている。東京時間に一時109.35円付近まで下落したものの、ロンドン時間にかけて買い戻しも入り、109.70円近辺まで戻していた。しかし、NY時間に入ると再び上値が重くなり、下値模索が続いている。本日の21日線は109.15円付近に来ているが、その水準はまだ維持されており、目先の下値メドとして意識される。

 先週は110円台を回復する場面もみられていたが、その水準は維持できていない。ドル売りが根強く、ドル円の上値を抑えているようだ。この日発表のISM製造業指数が戻り売りのきっかけとなった。ISM指数は予想を上回り、サプライチェーン問題が引き続き、米製造業の需給ひっ迫を示したものの、その中の雇用指数が11月以来の水準に低下したことが戻り売りのきっかけとなった。週末には米雇用統計の発表を控えている。

 ただ、根強いドル安がドル円の上値を圧迫している一方、円は売られやすい環境にあるとの指摘も出ている。日銀と他の主要国の中銀に格差があり、日銀は出口戦略に遅れをとる可能性が高いという。日本政府は東京など主要都市に対する緊急事態宣言を6月20日まで延長している。現行のデフレぎりぎりの消費者物価指数(CPI)と再度の景気後退への懸念を考えると、日銀が出口戦略を検討する理由は見当たらない。
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 ドル円は米金融政策の正常化に関する議論に特に影響を受けやすいが、FRBが今後、緩和解除への勢いを増す可能性があることから、ドル円には短期的な上昇リスクが高まっているという。

USD/JPY 109.40 EUR/JPY 134.01
GBP/JPY 155.05 AUD/JPY 84.95

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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