HENNGE、「HENNGE One」の売上高は前年比20.4%増 今期は今後の持続的な成長のための変曲点を目指す
2021年9月期第2四半期決算説明会
小椋一宏氏(以下、小椋):本日は、HENNGE株式会社、2021年9月期の第2四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。代表取締役の小椋です。
今回の説明会では、会社概要や成長戦略等についての説明は省略させていただきます。第1四半期決算説明動画の抜粋となりますが、会社概要の説明動画、成長戦略・2021年9月期通期業績見通しの説明動画を別途ご用意しておりますので、合わせてご覧いただければ幸いです。
連結売上高(対前年同期比、6か月累計比較)
まず、第2四半期の業績についてご説明します。連結売上高はスライドのとおり順調に推移しました。
連結業績サマリー(対前年同期比、6か月累計比較)
連結業績のサマリーはスライドのとおりです。第2四半期は2020年11月13日開示の通期業績予想に対して順調に推移しています。
売上総利益(対前年同期比、6か月累計比較)
売上総利益も引き続き高い水準を確保しています。
当期純利益(対前年同期比、6か月累計比較)
当期純利益は前年同期と比較すると、スライドのようなグラフとなりました。
営業費用の構造(対前年同期比、6か月累計比較)
営業費用の構造を前年同期と比較すると、スライドのようなグラフとなります。
営業費用の構造(対前四半期比)
対前四半期では、こちらのスライドのようになりました。採用費が前四半期に比べて増加したことで、その他販管費全体は前四半期から増加しています。
広告宣伝費については、2月開催の「HENNGE NOW!」イベントとそれに付帯するテレビCM、ウェブ・交通広告等のマーケティングキャンペーンを実施したことで、前四半期に比べて大幅に増加しました。
売上原価と研究開発費の合計については、HENNGE Oneの売上高が堅調に増加したものの、基盤クラウドサーバーの利用効率の向上等により、前四半期から200万円の増加にとどまりました。
売上高と営業費用の推移
売上高と営業費用の四半期での推移はスライドのとおりです。
従業員(アルバイト含まず)の状況
従業員は193名となりました。構成比はスライドのとおりです。
従業員数(アルバイト含まず)の推移
従業員数の過年度からの推移はスライドのとおりとなっています。期初の計画どおり、HENNGE Oneの営業およびカスタマー・サクセス職については順調に採用が進んでいます。
HENNGE Oneの研究開発職につきましては、現在7割以上が日本人以外の外国籍社員で構成されており、これまでは海外からの採用を中心に、人員を賄ってきました。しかし、直近では新型コロナウイルス感染症の影響により、外国から日本に入国できない状況になっており、内定者が日本に入ってこられないなどのことから四半期で減少しています。現在のところ、今期の研究開発活動に大きな影響はないと考えていますが、引き続き状況を注視していきます。
キャッシュ・フローの状況(対前年同期比、6か月累計比較)
続きまして、キャッシュ・フローの状況です。当上期はHENNGE Oneサービスの提供に利用しているIaaS関連費用の前払いや、「HENNGE NOW!」イベントによる広告宣伝費の支払いなどがあったことにより、営業キャッシュ・フローは過去2年と比べて大幅にマイナスとなりました。しかしながら、現預金残は前年同期比で堅調に伸びています。
事業トピックス
次に、第2四半期の事業についてご説明します。事業トピックスはスライドのとおりです。
HENNGE NOW!とそれに付帯した広告宣伝活動
これまでお伝えしてきたとおり、当四半期では大型デジタルイベント「HENNGE NOW!」を開催しました。約4.9億円の広告宣伝費を投下し、イベントの開催だけでなく、集客を目的としたテレビCM、交通広告、ウェブ広告等のマーケティングキャンペーン、積極的な広告宣伝活動を行いました。その結果、当初の計画どおり「HENNGE NOW!」の来訪者数は1万人を超える規模となりました。イベントにお越しくださったみなさま、そしてイベントをともに盛り上げてくださったスピーカーのみなさま、パートナーのみなさまには心よりお礼申し上げます。
HENNGE NOW!参加者の属性
積極的な広告宣伝の結果、スライドに記載の円グラフのとおり、クラウド導入を検討している全国の企業さまおよびパートナー企業さまに幅広くリーチすることができたと考えています。「HENNGE NOW!」やその他の広告宣伝活動を通して、多くの企業さまに当社サービスを知っていただき、導入していただくことで、企業のクラウド化をこれまで以上に推進したいと思っています。
これまでにもご説明したとおり、HENNGE Oneのリードタイムは比較的長いため、このイベントを含む一連のマーケティングキャンペーンは、2022年9月期以降に実を結ぶものと考えています。直近の効果を狙ったものではないという位置付けです。したがって、当期に使っている広告宣伝費の大部分は、来期以降のために使っているという位置付けとなっています。
今、現場ではまさに2月のイベントにいらっしゃったお客さまのフォローアップをしているところです。まだイベントの効果についてお伝えできるタイミングではありませんが、現場の活動量は着実に増えてきている状況にあり、よい滑り出しができていると認識しています。
今期は年間を通して全社で約30人の人員増を目指しています。採用は順調に推移しているものの、もし人員不足が起こるようなことがあると、今後の成長のボトルネックになってしまいかねない、とも考えられますので、採用は引き続き強化していく予定です。
HENNGE One KPI(対前年同期末比)
次に、第2四半期のKPIについてご説明します。HENNGE OneのKPIの前期比較はこちらのスライドのとおりです。
HENNGE One KPIのハイライト(対前期末比)
HENNGE OneのKPIの、前期末からの進捗はスライドのとおりとなっています。
HENNGE One平均月次解約率の推移
平均月次解約率の推移です。前四半期末から0.04ポイント改善し、0.18パーセントとなりました。引き続き非常に低い水準にあると考えています。
HENNGE One契約企業数と契約ユーザ数の推移
契約企業数と契約ユーザ数の四半期ごとの推移はスライドのとおりとなりました。第2四半期は、契約企業数、契約ユーザ数ともに順調に推移しているという認識です。
HENNGE One ARRとARPUの推移
ARPUも引き続き上昇傾向にあり、ARRも順調に推移しました。
連結業績見通し(通期)
最後に、今期の業績見通しに対する進捗についてご説明します。連結業績見通しについては変更はありません。HENNGE One事業については、引き続き20パーセント以上での持続的な成長を目指す一方、今期で今後の持続的な成長のための変曲点を作り出したいと考えています。そのための積極的なマーケティング投資を行うため、今期の営業利益は前期に比べて減益となっています。
連結売上高の進捗
事業別の売上高の今期見通しに対する進捗はスライドのとおりです。HENNGE One事業もプロフェッショナル・サービス及びその他事業もともに順調に進捗しています。
営業費用(売上原価+販管費)の進捗
広告宣伝費と、広告費を除いた営業費用の今期見通しに対する進捗はスライドのとおりとなっています。第1四半期の決算説明でご説明したとおり、大規模イベントの開催とそれに伴う一連のマーケティングキャンペーンの実施により、広告宣伝費は大きく増加しています。
ご覧のとおり、上半期は広告費以外の費用が進捗率50パーセント以下となっていますが、下半期には人材採用等、将来のための投資を引き続き積極的に行っていく予定であり、業績見通しに沿ったかたちでの着地となる見込みとなっています。
以上、駆け足でございましたが、当社の2021年9月期第2四半期の決算についてご説明しました。ご清聴くださいまして誠にありがとうございました。
質疑応答:ARR・ARPU・平均ユーザ数の来期以降のイメージについて
質問者1:質問は3つあります。まずは変曲点のところなのですが、もともと今もARRが20パーセントを超えているため、20パーセント以上は容易なのだろうと思います。来期以降はどれくらい上げられると考えているのでしょうか?
また、今後ARPUは上がっていくと思うのですが、年間でどのようなイメージで上がっていくと見ていますか? HENNGE Lockがあると思うのですが、もしARPUが上がっていく時にこの採用の比率が上がったりして、いきなりARPUが大きく上がったりするのでしょうか?
加えて、ARRを分解される時に企業数の「N」と平均ユーザ数の「n」が出てくると思います。「n」について、以前「今後、横ばいで見ています」とおっしゃっていたと思うのですが、普通に考えると、中小企業にも広がっていくため、「n」は今後少しずつ減っていくのではないかと思いました。そのあたりについてはどう考えているのでしょうか?
小椋:変曲点を作り出すことにおける、「20パーセント以上と言っているが、来期以降はどのような成長を目指しているのか」というご質問についてですが、当社の中期計画は開示していない状況もあり、数字でお伝えしにくいところもあります。しかし基本的には、今後さらに成長を加速していこうという時に、積み上げ型ビジネスでは成長率の維持がすごく課題になってくると思っています。
毎年、前年よりも多くの注文を取っている状況にはあるものの、そのスピードではいつか成長率が鈍化していってしまうことが課題になっています。したがって、現在は成長率の維持、願わくばさらにもっとスピードアップしていくことを目指していきたいことから、変曲点を作り出すとお伝えしている次第です。
その内容としては、例えば新規機能を提供したり、他の新しい価値をお客さまに提供したりといったかたちで、お客さまごとの単価の向上を図っていきたいと思っています。もちろん、今の受注スピードも加速させていきたいと考えています。その両面で今後も成長を作っていきたいと思います。
今年はまさに「HENNGE NOW!」を皮切りに、そうした活動を加速していくぞ、という狼煙を上げたところであり、それがどのくらいのスピードで巡航できるのかについては、まだ私どもがお約束できる根拠がある状況ではありません。ただし、社内としてはそこを睨みながら加速させていきたいと考えていますし、来期以降によい展望が描けるようにしていきたいというのが変曲点に関する私どもの見解です。
2つ目のARPUの今後の変化についてですが、プランの価格体系の変更や新しい機能が付いたりしていることにより、新規ユーザに関しては平均ARPUが上がっているのが現在の状況です。したがって、このままの傾向が続く限りはARPUが少しずつ増加していく状況があると思っています。
ただし今年に関しては、第1四半期の開示の中で触れたように、大規模な低単価ユーザの解約があったことによって急にARPUが上がっているように見えています。しかし、基本的には新規ユーザの流入に伴ってARPUは少しずつ安定的に上がっていきます。加えて、例えば新機能や新しい価値をお客さまに提供することによって、ARPUを既存のお客さまに関しても上げていける施策ができるとよいと思っています。
HENNGE Lock等で大きく上がったりするのかどうかということについてですが、現状、HENNGE Lockについては、すでに存在している機能とはなりますが、願わくば、お客さまにより価値を感じてもらえる機能をどんどん出していきながら、お客さまからいただける単価もさらに上げていけるとよいと思っています。今すぐどこかで大きく上がったりする計画があるわけではないのですが、願わくばそうした機能を追加していけるとよいと思っています。
3つ目の、ARRを分解した時に、「N」、「n」、ARPUの中で、「n」は中小企業にも販売を拡大していくため、今後減っていくのではないかというご質問についてですが、現状は確かに第4四半期から比べると第2四半期の「n」は減少して見えます。しかし、私どもの実感として、今は小規模ユーザにどんどん使っていただいているというよりは、第1四半期の大規模低単価ユーザさまの解約によってKPIが一時乱れているという状況かと思っています。
今後は、中小企業さまにも大手企業さまにも等しく全面的に使っていただきたいと思っています。今のところ、私どもの営業先の傾向がすごく大きく変わっていることはありません。基本的には、今と同じようなスタイルで営業している限り、減っていくよりは微増もしくは横ばいのイメージが自然な状況かと思っています。
質疑応答:TAMについて
質問者1:追加なのですが、「n」のところで、横ばいまたは微増で見るイメージでよいということは、すなわち大企業の比率は今後もそこまで変わらないということになると思います。一方で、日本全体で見ると小さい会社のほうが圧倒的に数が多いため、その状況で「大企業の比率があまり変わらない」と見ているということは、御社にとってのTAMは主に大企業から来ていることになるのでしょうか?
小椋:決算説明資料の43ページをご覧ください。大企業の定義にもよるのですが、私どもの現在のメインのターゲットは300名以上5,000名以下とお伝えしています。現在のARRベースもそのあたりが中心になっています。
したがって、日本全体で見ると中小企業さまのほうが多いのですが、例えば今年中といった短いスパンでその傾向が大きく変わったり、我々が今後より多く存在する企業群に対してどんどん営業をかけていったりという状況になるかというと、必ずしもそうではありません。
確かに、もっと長いスパンで見るとそのようなことになるかもしれないという気もするのですが、少なくとも私どもが現在見込んでいる線は今のターゲット前後です。もちろん大きいほうも小さいほうもありますが、メインターゲットを変えずに市場を獲得していきたいというのが私どもの現在の狙いです。
質疑応答:事業環境の足元の状況とプロダクトの取り組みと広告を打つ環境について
質問者2:私からも3点お願いします。まず1点目は、御社の事業環境の足元の状況についてお伺いできればと思います。クライアントのDXの動きや、新型コロナウイルスによる活動の自粛が一巡したような動きもあると思いますので、そのあたりの影響が御社の事業にどのように影響しているのか教えてください。
2点目は、現在のプロダクトの取り組みに関してです。先ほど、脱パスワードやロックのことはお話しいただきましたが、もう少し広い範囲で、御社のプロダクトが今どのようなことを目指しているのかという全体感がありましたらお願いします。
3つ目は、御社の広告を打つための環境についてです。他社のお話を聞いていると、最近はマス広告が少し安くなっている一方で、インターネットに関してはけっこう単価も戻ってきたというお話を聞きます。御社の獲得単価やLTVと照らし合わせ、出稿の余地などがどのような状況なのか教えていただけますでしょうか?
小椋:まず、足元の事業環境についてです。2月に「HENNGE NOW!」という、初めて全国的にお客さまを集客するイベントを行ったのですが、非常に関心が高かったと思っています。1万人以上のお客さまにご来場いただいたということで、もうニューノームになってしまったと思うのですが、SaaSを導入して新しい働き方に変えていこう、この機に働き方を加速しよう、といったことに対する関心はとても高いと思っています。
数字としては出せていなかったのですが、今までのイベントと比較すると、アンケートにご回答いただいたお客さまやフィードバックをいただいたお客さまの割合もすごく多かったと思っています。お客さまのSaaS活用というテーマへの関心の高さがすごく伺えたと思っている状況です。
緊急事態宣言が延長されたこともあるのですが、正直にいうと、私どももお客さまもだいぶ緊急事態宣言に慣れしている、というか、この状況の中でどう活動していけばよいのか、どのような課題が残されているのかということについても、比較的冷静に着実に把握してきている状況にあると見ています。そうした、お客さまの一過性のものではない、もう少し長い息のある需要に対して応えていける状況だと引き続き考えています。
2つ目の、脱パスワードやロック以外にどのようなことに取り組んでいこうとしているのかというご質問ですが、やはり全体で見ると、とにかくSaaSの活用ということだと思います。SaaSを活用するにあたり、一番問題になること、あるいは典型的に問題になりそうなことを取り除いていきたいというのが基本的な思いです。
そのような意味でいうと、去年あるいは一昨年くらいまでの状況では、もう少しDX寄りといいますか、SaaSの活用のさらに先にある、業務効率化や働き方改革がメインのフィールドになると思っていました。しかし、コロナ禍の状況にあって、まずはSaaSを使う状況まで持っていこうと考えるお客さまが急増していると見ています。
まずはそのようなお客さまのお手伝いをしていきたいと思っていますので、今のところ脱パスワードや一括ログインといった非常に基本的な部分にフォーカスを当てているわけです。最終的に実現したいのは、お客さまが複数のSaaSを組み合わせることによって、自社にとって最適なアプリケーション環境、最適な働く環境を作ることができる時代です。そういった時代が今初めてやってきたという状況にあります。そのような環境を応援していきたいですし、そこにあるすべての障害を取り除いていきたいというのが、私どもの活動の背景にあります。
私どもの理念は「テクノロジーの解放」です。そこにテクノロジーがあるがなかなか手が出せない、よいとわかっているが越えなければいけないギャップが大きすぎる、といったお客さまに対して、ギャップを越えるための手段を提供することが私どもの「テクノロジーの解放」という理念となります。そこにおいて、ぜひお客さまを応援していきたいと思っています。
今回の「HENNGE NOW!」でも、そうしたSaaS導入後の世界として、SaaSを導入して生産性が向上したお客さまや働き方が変わったお客さまも含め、さまざまな事例をご紹介し、高い評価をいただきました。今後もそのようなこと全般に力を入れていきたいと思っています。
ただ、今のところはまずSaaSを使い始めることです。そこで一番初めにある巨大な障害である、セキュリティやパスワード管理を解決していくことが、今のところ私どもがお客さまに貢献できる一番大きな価値だと思っています。ですので今はそのようなところを中心にプロモーションをしている状況です。
3つ目の、広告を打つ環境については取締役の天野よりご説明します。
天野治夫氏:広告宣伝において、今後の出稿余地などをどのように見ているのかということですが、説明にもありましたように、上半期に大型の広告宣伝を実施しています。初めてのマス広告、テレビCMや交通広告の大型のものも実施しています。
もうご存知かとは思いますが、他の会社や他のBtoBのSaaS企業も含め、IT企業の多くが交通広告・CMなどを行っています。盛り上がりを見せている中で我々も一度取り組んでみたことで、ある程度関連の知見が得られたのではないかと考えています。そのあたりを、下半期あるいは来期以降の我々の会社の広告宣伝活動に活かしていきたいと考えています。
ご承知のとおり、現在はさまざまなメディアで当社のような規模、あるいは事業においても積極的に関連の広告を打っていくことができる環境に変わってきていますので、費用対効果をしっかり勘案しながら今後検討していきたいと思っています。
質疑応答:HENNGE Oneのプロダクトアライアンスについて
質問者3:HENNGE Oneのプロダクトアライアンスについてです。昨年11月からスタートしていますが、この成果はなにか出始めているのでしょうか? そもそもこの目的はおそらく多くのユーザを抱えているプロダクトの会社と連携することだと思うのですが、そのあたりについてのご説明をいただけますか?
小椋:プロダクトアライアンスの成果と目的についてですが、成果という意味でいうと「HENNGE NOW!」でたくさんのお会社さまと連携できたことが大きな成果の1つであると思っています。
お客さまもいろいろなSaaSを使っていますが、その中でも特によく連携の質問をいただくSaaSを中心に連携のアライアンスを作ることで、お客さまに対してより安心感を持っていただくことを目的としています。
HENNGE Oneと連携して動くSaaS群があり、そうしたSaaSを安心して使うことができるとお客さまに感じていただくため、例えば、サポートにお問い合わせいただいて「いや、それはわからない」ということにならないよう、私どものカスタマー・サクセスと他のSaaSサービスのカスタマー・サクセスが連携して問題解決できるような基盤をきちんと作り、連絡体制を作るなど整備していきたいという思いから実施しました。
今のところ始めて間もないこともあるため、お客さまから「すごいよかったよ」という声がある状況ではないのですが、そのような連携をベースに「HENNGE NOW!」イベントでたくさんのSaaS企業さまにご登壇いただいたりできたことも大きな成果ではないかと思っています。
特に、こうしたIDaaSの世界になってくると、本当に使えるのかや、連携できると言っていても実際には問題があるのではないかなど、そのような疑念をできる限り取り払っていくことが大きな課題になっていきます。そのため、こうしたところに先手を打って対応している状況です。
質問者3:これがSaaSの事業者の方々は積極的にHENNGE Oneを販売してくれるといったアライアンス関係にはならないのでしょうか?
小椋:そこはSaaSの位置付けによって難しいところもあります。お互いいろいろなSaaSとも連携しているため、こちらを立てるとあちらが立たないといったことがあったりします。ですので、販売を前提としているというよりは、もう少し技術的な連携をきちんとしていこう、あるいはマーケティング的な連携で協力していこうといった位置付けのアライアンスということになっています。
質疑応答:HENNGE Oneの開発人員の減少について
小椋:Q&A欄にいただいているご質問を読み上げます。「HENNGE One事業の開発人員が1名減少しています。一方で、プロフェッショナル・サービスの人員がプラス4名になっている背景についてご教示いただけますと幸いです」というご質問です。
HENNGE Oneの開発人員の減少については先ほどお伝えしたとおりです。具体的には、国境を越えられない内定者がいる状況になっており、もともと考えていたとおりにはなかなか増えていません。こうしたところは、例えば業務委託等で補っている状況にあります。
プロフェッショナル・サービス及びその他事業については、既存の事業が少しずつ縮小している一方で、新規事業等にも取り組んでいることもあり、社内の異動や、あるいは新規採用、外注しているものの内製化などの動きもあります。そのような関連で人数が増えています。
質疑応答:リスク的な要素について
質問者4:現時点で、リスク的な要素としてはどのようなものを心配していますか?
小椋:今のところ私どものビジネスは比較的将来が見通しやすいです。例えば、足元の営業の稼働状況などから、来年以降がどのようになるのかもなんとなく見えてくる状況にあります。一方で、例えば、何か大きな問題があっても、すぐにそれが影響するわけではないという状況にあります。ですので、私どもの目下の変曲点を作り出す活動に関していうと、今のところそこまで大きくリスクとして考えていることはありません。
あえて言うなら人材採用です。おかげさまで、「HENNGE NOW!」を開催したことでの引き合いもあり、現場での活動量はとにかく増えてきています。今のところ、営業やカスタマー・サクセスも比較的順調に増やすことができており、人材採用がボトルネックになっていてよくないという状況ではありません。
ですが、今後、より成長していくことを考えると、やはり安定的な採用が行われていくことが大事だろうと思っていますので、そうしたところが滞ることのないように、私どもがしっかり担保していきたいと思っています。そのあたりはリスクといえばリスクかと思います。
また、研究開発人員が今増えない状況にあります。SaaSビジネスは、今研究開発していなかったら何か問題が起こるというものではありませんが、やはり継続的にR&Dの力を上げていくこともすごく大事なことだと思っています。
あまりにこの状況が長期化しすぎてしまうとすれば、研究開発体制等についても今の延長線上にはないところで考えないといけないのかもしれないというところは1つのリスクとしては考えています。
前四半期から「決算Q&A」を開示しています。「もしかしたら、みなさまこのようなことが気になっているかもしれない」ということを考えて作っています。「ストック売上の中身はどうなっているのか」といったご質問も用意しています。ぜひ、IRサイトからご覧いただければと思います。
本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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