ショッキングな米雇用統計に見方様々 過剰な失業給付や半導体不足の指摘も

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/05/11 00:10
先週末発表のショッキングな米雇用統計の内容に見方が様々出ている。多くの野党・共和党からは、失業手当の強化および延長が労働者の就労意欲を削いでいるとの見方が出ている。特に低賃金層の中には、失業給付が以前に仕事で稼いでいた収入よりも多いケースが多数みられるという。平均的な失業保険の受給者は時給15ドル、フルタイムで働くことで得られる収入よりも多く、これらの刺激策は9月まで最大で約18カ月間利用でき、失業給付期間は大半の州で通常よりも約3倍長いという。

 一方、バイデン政権と与党・民主党はパンデミックによる保育園などの育児施設へのアクセスが制限されていることや、半導体不足などの要因が雇用の伸びを妨げていると分析している。ラモンド商務長官は「バイデン政権は失業手当が就労意欲に与える影響を監視しているが、そのデータには失業手当が失業の理由を示唆するものは何もない。人々が仕事に戻らない最大の理由は感染への恐怖のほか、育児とサプラチェーン問題、特に半導体不足が影響している」と述べた。ただ、同長官は「国内の半導体生産の増加と育児施設へのアクセス拡大はバイデン政権の政策目標に入っているが、これらのイニシアチブは実施されるまでに何年もかかる可能性があり、議会で可決される法案に依存する」とも語った。

 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は日曜日に放映されたCBSのインタビューで、「労働力の供給不足は一時的に全体的な成長改善を妨げる要因になり得る」と言及。「失業手当は恐らく就労意欲を削いでいる幾つかの証拠があり、われわれはそれをデータで確認している」と述べていた。同総裁はさらに、「ワクチン接種を受けている人たちの間でさえ、育児施設不足やウイルスへの恐怖が労働者を圧迫している。接種を受けた後もレストランで食事をすることをためらっている」と述べていた。ウイルスの恐怖が収まる下半期には学校も完全に開校し、失業手当延長が期限切れになると予想しているという。

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