欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、欧州通貨安や米当局者発言で

配信元:フィスコ
投稿:2021/03/23 17:25
23日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。好調な米国債入札で、長期金利に下押し圧力がかかりやすい。ただ、欧州での新型コロナウイルス再拡大が嫌気される。また、米当局者発言で金利高が意識され、ドルは売りづらいだろう。

米長期金利の動向に振らされる展開で、前日はドル売りの場面でユーロ・ドルは一時1.19ドル半ばに浮上し、ドル・円は108円半ばに失速。本日アジア市場も、ほぼ同様の展開となった。足元では欧州連合(EU)と英国、米国、カナダがウイグル人の取扱いをめぐり中国高官を対象に制裁を発動。中国も報復措置に踏み切るなど外交問題でリスクが浮上し、アジア株安を手がかりに円買いへ振れた。ただ、ドルの下げは抑制され、対円で108円半ばから後半を維持した。

この後の海外市場も長期金利がテーマとなる。欧州での新型コロナウイルス再拡大を受け、今後の回復を期待したユーロ買いは後退しよう。英中銀が長期金利上昇を容認する姿勢で、ユーロはポンドに対しても弱含む見通し。一方、米国債入札で、長期金利の過度な上昇は想定しにくい。ただ、米国の財務長官や連邦準備制度理事会(FRB)議長、連銀総裁の発言は慎重ながら、中長期的な正常化に伴う金利高が意識されそうだ。ドルは売りづらく、対主要通貨で底堅く推移しよう。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・10-12月期経常収支(予想:-1878億ドル、7-9月期:-1785億ドル)
・23:00 米・2月新築住宅販売件数(予想:87.5万戸、1月:92.3万戸)
・23:00 米・3月リッチモンド連銀製造業指数(予想:15、2月:14)
・22:00 ブラード米セントルイス連銀総裁オンライン討論会参加(金融政策と経済)
・24:00 バーキン米リッチモンド連銀総裁オンライン討論会参加
・01:00 パウエル米FRB議長とイエレン米財務長官が下院委員会出席(コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法関連)
・02:00 米財務省・2年債入札
・03:45 ウィリアムズNY連銀総裁オンライン討論会参加
・04:45 ブレイナード米FRB理事討論会参加(経済見通し、全米企業エコノミスト協会年次会合)

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配信元: フィスコ