ドル円は103円台後半での振幅続く=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/01/26 06:08
 きょうのNY為替市場でドル円は103円台後半での振幅が続いた。きょうこれまでのレンジは27銭程度。全体的にはドル買いの動きが優勢となっているものの、一方で円高の動きもみられ相殺されているようだ。

 米国債利回り低下や、米株は利益確定売りが強まり、市場にはリスク回避の雰囲気が広がっている。バイデン大統領の1.9兆ドル規模の追加経済対策への期待は根強いものの、議会の一部からは反対の意見も多く聞かれ、大統領の意向通りに成立するか疑問視されている。また、成立も遅れるのではとの見方も浮上しているようだ。

 一方、ワクチン拡大の不安も出始めている。米感染研のファウチ所長が「1回目と2回目の間隔を広げて、より多くの人に接種する計画はリスクが生じる懸念がある」と述べたことを市場は注目している模様。

 リスク回避のドル高・円高の中で、明日からFOMCが控えていることもあり、ドル円は膠着感を強めている模様。下値は103.60円近辺に21日線が来ており、上値は104円台前半に強い抵抗が観測されている。これらの水準が目先のメドとして意識される。

 ユーロドルは売りが優勢となり、1.21ドル台前半まで下落する場面もみられた。21日線の下での推移が続いており、調整の動きは継続している。本日の21日線は1.2195ドル付近に来ている。

 ECBは先週のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の結果を公表していたが、先週の購入額は132億ユーロと前週の182億ユーロから購入額を減らしていた。イタリアに総選挙の可能性が高まった中でのECBの行動に一部からは注目が集まっていたが、ECBはドイツ国債とイタリア債の利回り格差を細かくは管理していなかったことが示唆されている。ただ、データは水曜日時点までの1週間のデータで、両国債の利回り格差が急拡大した木曜日以降の動きは含まれておらず、過剰に解釈すべきではないとの指摘も出ている。

 ポンドドルも軟調な動きが見られ、1.36ドル台半ばに値を落としている。ただ、下押す動きまではなく、底堅い展開は維持されている状況。本日の21日線は1.36ドル台前半に来ているが、その水準は強いサポートとして意識されている。

 ただ、一部からはポンドは上昇トレンドを維持できないとの指摘も出ている。英中銀は5月の金融政策委員会(MPC)で資産購入枠を1000億ポンド拡大し、中銀の資産購入額がGDP比で最大である立場を維持するという。一方、輸入増加に伴う所得流出の増加と貿易赤字の悪化により、英経常赤字が拡大する可能性も指摘している。 年内にポンドドルは1.34ドルに下落し、ユーロポンドは0.94ポンドに上昇すると見ているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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