NYコラム(22日)ダウ平均は様子見姿勢が強いスタートへ−大統領選挙前最後のテレビ討論会に関心が集中か

著者:加藤裕一
投稿:2020/10/22 22:00

NY株式市場(22日)ムニューシン ・ペロシ協議は22日も継続へ−好決算のテスラ株が時間外で大幅高

22日のニューヨーク株式市場でダウ平均は、様子見姿勢が根強い寄り付きを迎えそうだ。トランプ大統領と民主党のバイデン候補による大統領選挙前最後のテレビ討論会が22日夜(日本時間23日午前10時〜)に南部テネシー州で行われることから、積極的な売買が見送られよう。

週内まで最終期限が延長された追加経済対策をめぐるムニューシン財務長官とペロシ下院議長の協議は22日も継続される。これまでのところ最終合意を引き寄せるような決定的な歩み寄りの気配に乏しい協議が続いており、大統領選挙前の合意に向けた期待感が徐々に薄れつつある局面も出てこよう。与野党間の合意案を共和党上院指導部が受け入れるかどうかも流動的なようだ。

22日のニューヨーク株式市場では、引き続き、行き詰まりを見せる与野党協議やテレビ討論会を控えたネガティブ・キャンペーンに関するニュース・フロー次第で、相場の方向性が決定付けられるような地合いが継続しており、売り買いともにポジション管理には十分な注意が求められよう。

直近の下げで一目均衡表上の雲の抵抗帯に入り込む「雲入り」状態となっているダウ平均は、寄り付きで19日の日中安値(2万8139ドル)や20日移動平均線(2万8069ドル)が強く意識されるだろう。目先的な下値のサポート・ラインとしては節目の2万8000ドルが挙げられよう。

本格化している主力企業の決算発表で前日の夕方に7−9月期決算を発表したテスラが、時間外取引で堅調だ。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な販売休止後からいち早く脱却したテスラは、中国販売が伸びたことから売上高が過去最高を更新。5四半期連続で黒字を達成したことが買い手掛かりとなっている。

22日のニューヨーク株式市場でテスラはほぼ独歩高のような形で個別に買われる取引スタートとなろう。通常取引終了後には、注目度の高いインテル決算を控えており、個別に業績動向を受けた選別物色が商いの中心になりやすい相場環境にもある。

一方で取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は、78.7万件と前週(修正値:84.2万件)から減少したほか、市場予想(87万件)も下回る内容となった。失業保険継続受給者数も、837.3万人と市場予想(962.5万人)を下回ったことから、ファンダメンタルズ面で相場を下支えしそうな1日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想