【直前まとめ】雇用者数は750万人減見込み、ADP受けてやや見通しに変化<米雇用統計>

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/06/05 12:40
 本日21時半に5月の米雇用統計が発表される。
非農業部門雇用者数は前回2053.7万人減という、これまでの記録をはるかに超える空前の雇用減を記録した。
失業率も一気に14.7%と現行基準での統計開始以来最も高い水準となった(基準が違うため、一概には比べられないが、1930年台の大恐慌時は20%を超えていたとみられている)。

 内訳をみると3月時点で50万人弱の雇用減を記録していたレジャー・趣味が765万人の減少。実に同部門の3月時点での雇用者の約47%が失業するという事態に。また、リーマンショック時の各部門で雇用が毎月のように減少していた時でも、雇用者が増加し続け、最後の受け皿となっていた介護部門でも今回は雇用が大きく減少と、厳しい状況が見て取れた。

 こうした状況は5月も継続とみられており、予想は750万人の大幅減が見込まれている。1億5000万人を超えていた雇用者数は、すでに1億3000万人ちょっとまで減っており、ここからさらに750万の雇用減となると、厳しい状況が印象付けられる。

 ただ、先行指標として注目されるADP雇用者数(3日発表)は、900万人減の見通しに対して、276万人減にとどまった。前回の数字も速報時点では雇用統計同様に2000万人を超える2023.6万人となっていたが1955.7万人まで下方修正されている。
 前回の数字がかなり近かったこともあり、相関が意識されている同指標。ADPの発表を受けて、非農業部門雇用者数もそれまでの800万人減予想が750万人減まで調整が入った。ADP同様に予想をさらに大きく下回る雇用減にとどまるようだと、リスク選好の動きが強まる可能性も。

MINKABU PRESS 山岡和雅

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