安易な値頃感エントリーは禁物!
株式市場を中心とするマーケットが歴史的な激震に見舞われています。12日のNYダウの下落率が9.99%(前日比下落幅:2352.60ドル)となり、2008年のリーマン・ショック時(10月15日)に付けた下落率である7.87%を大きく上回る結果となっています。
そんな中、足もとの米ドル/円は、比較的下値しっかりの相場状況となっていますが、依然として先行きが不安定と言わざるを得ません。そこで、米ドル/円の動向を俯瞰的に眺めることを目的に、月足チャートを見てみましょう。
別図チャートでは、1) 20ヵ月MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) ローソク足の上方に赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、4) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが20ヵ月MAに対してパラレルで推移していること、そして、5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなっている(別図青色点線丸印)ことから、米ドル/円・月足チャートでは、上方硬直性を伴うレンジ相場となっていることが視認できます。
チャートのアナロジー(類比)分析をする上で、注目すべきポイントは・・・ローソク足の形状とBB・-2σラインの関係性。
別図黄色矢印の通り、ローソク足が下ヒゲの長い陰線、いわゆる「カラカサ陰線」が下値支持線を示すBB・-2σライン付近で出現したケース(それぞれ2018年3月、2019年1月、同年8月)では、「下値固め」→「短期的な反発フロー」となっていることが見て取れます。現時点(13日観測、上図青色三角印)のローソク足についても、a) 「カラカサ陰線」と判断できるローソク足形状となっていること、また、b) ローソク足がBB・-2σライン付近にあることから、アナロジー分析上では「下値固め」→「短期的な反発フロー」となる可能性も。
その一方で、前述の通り、現在の米ドル/円・月足チャートでは、上値抵抗圧力が強い状態となっていることから、終値ベースで仮にローソク足がBB・-2σライン(≒105.020円、13日Bid値基準)を下回った場合は、2016年6月-9月時の安値基準である「100.000円」(別図黄色丸印および黒色点線)付近までの下押しフローとなることも想定すべきでしょう。
いずれにしても、当面の米ドル/円は、エリオット波動でいうところの下降(修正)3波の最終下落フローであるC波襲来の可能性も視野に入れつつ、足もとにおける値頃感からの安易な買いエントリーは避けた方が無難と言えるでしょう。