NYコラム(10日)ダウ平均は2万9000ドル台を値固めへ-テスラ株は時間外で一時8%高

著者:加藤裕一
投稿:2020/02/10 22:55

▶︎NY株式市場(10日)ダウ平均は2万9000ドルの節目を試す-テスラは上海工場で生産を再開

10日のアメリカ株式市場でダウ平均は節目の2万9000ドルを意識しながらの寄り付きとなりそうだ。

新型肺炎が拡大している中国では、10日から企業活動が再開した。

アメリカ主要企業では、テスラが主力の上海工場での生産を再開した。

上海市政府の後押しもあって、テスラは中国での生産回復の象徴的な役割も果たしそうで、時間外では一時8%を超える上昇となっている。

一方でアップルは、中国国内のサプライヤー工場に従業員が戻りつつあるようだ。

GMは、15日から中国での生産を再開させるという。

ただ、いずれも本格的な生産の回復にメドが立っていないのが現状だ。

10日のダウ平均は、主力株中心に改めて手掛けにくい地合いが続きそうだ。

引き続き、新型肺炎の拡大がアメリカ企業の業績に与える影響を実際の数字として織り込みにくいことを再び意識せざるを得ないだろう。

ダウ平均は一旦2万9000ドルを値固めしながら、次の手がかり材料を探る一日となる。

▶︎トランプ政権は2021会計年度の予算教書を議会に提出へ-追加減税第2弾の行方に注目

予算教書の大枠はすでに報じられている通りだ。

ただ、今回の予算教書で筆者が注目しているのは、税制面だ。

中国で拡大した新型肺炎によるアメリカ経済への悪影響が懸念されるなかでトランプ政権が検討しているという2017年の大型減税に続く追加減税第2弾を盛り込んでくるかどうかを確認したい。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想