NYコラム(5日)ダウ平均は2万9000ドルが視野に−25日線上抜けへ

著者:加藤裕一
投稿:2020/02/05 21:31

▶︎NY株式市場(5日)ダウ平均は反発局面つづく−61.8%戻し試す

5日のアメリカ株式市場でダウ平均は買い戻しが続きそうだ。

取引再開から3日目となった5日の中国・上海総合指数は1.2%高と切り返しが続いた。ヨーロッパ株も軒並み上昇している。

中国政府が新型肺炎の拡大で落ち込む景気を下支えするため積極的な景気対策に取り組むとの期待感が広がっている。連日で大規模な資金供給を行った中国人民銀行はプライムレートと預金準備率の引き下げを行う可能性もあるという。

日本時間の夕方に時間外のアメリカ株式指数先物は、手仕舞い売りから再び戻り歩調にセンチメントが好転している。

中国で新型肺炎に効果がある薬が開発されたと中国メディアが報じたという。

きのうに続いてきょうも、直近のリスク・オフで強まった債券先物買い・株式先物売りを巻き戻す動き=アンワインドが続く公算が大きい。

米国10年債利回りは、1.63%台乗せで、3カ月物米財務省短期証券との「逆イールド」は解消している。

▶︎5日のダウ平均は重要なテクニカル・ポイントを試す1日となる。

ダウ平均は、新型肺炎の世界的な拡大による今回の急落過程から戻りを試す局面で、25日移動平均(2万8827ドル)に跳ね返されてきた。

4日も上ヒゲを付ける形で超えられずにレジスタンスとして機能した格好だ。

5日は寄り付きで25日線を突破してくるだろう。

さらに、ダウ平均は、4日の大幅高で1月17日に付けた史上最高値(2万9373ドル)から直近安値(31日:2万8169ドル)の半値戻し(2万8771ドル)を達成している。

5日は、寄り付きで25日線超えのあとに61.8%戻し水準=2万8913ドルを捉えて、2万9000ドルの節目が視野に入ってこよう。

ただ、5日は直近の急ピッチな上昇への反動から、買い一巡感が高まりやすい。

新型肺炎の治療薬も投与までに時間が掛かるものと見られることから、上値では戻り売りが出やすいと認識してきたい。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想