NYコラム(16日)ダウ平均は2万9000ドル台で値固めが必要か⁈

著者:加藤裕一
投稿:2020/01/16 21:44

▶︎NY株式市場(16日)ダウ平均は2万9000ドル台の値固めが必要か⁈

注目されていた米中貿易協議第1弾の署名が15日に行われた。アメリカ株式市場は、無難にリスク・イベントを通過した印象で、ダウ平均は2万9030ドルの史上最高値を更新した。きょうからアメリカ株式市場は、改めて本格化している主力企業の決算発表と向き合うことになる。アメリカ主力企業の決算発表は、きょうのモルガンスタンレーなど米金融株の決算発表が一巡したあと、月末にかけてはアップルなどGAFAやハイテク企業の決算発表が予定されている。アメリカ株式市場では、徐々に決算銘柄中心とした個別選別物色の様相が強まりやすいため、ダウ平均自体は、日柄物色をこなしながら史上最高値圏の2万9000ドル台を一旦値固めする必要があるだろう。16日のアメリカ株式市場でダウ平均は、15日の日中高値(2万9127ドル)を再び試しながら、上値での利益確定売りをこなして2万9000ドル台を固めていく相場展開とみる。

▶︎米中貿易協議はマーケット・ニュートラルートランプ大統領の中国訪問に注目

米中貿易協議をひとまずまとめたトランプ大統領は、残り3週間を切ったアメリカ大統領選挙のアイオワ州党員集会(2月2日)に向けた選挙活動でのアピールに精力を注いでいくことになる。来週21日にも始まるウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判は、予断を許さないものの、早期に終結となれば、月内のビック・イベントは、ダボス会議(21日〜)や米FOMC(28日〜)、31日のイギリス・Brexitを残すのみとなっている。
米中貿易協議の第2弾をめぐっては、米中両国が定期的に交渉のテーブルに着くフレーム・ワークが示された。国益と国益がぶつかり合う外交・通商交渉では、両国間のホット・ラインが重要な生命線である。来月以降に開かれる両国間での定期検査で、合意内容の進捗を確認していくことになるだろう。トップ・セールスでは、トランプ大統領が表明した訪中のタイミングが、中国の春節前になるのか、来月のアイオワ州党員集会後になるのかを注視したい。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想