NYの視点:米FOMCの次の行動は依然利下げを想定

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/12 07:36
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。反対票はなかった。全会一致での決定は、5月の会合以降初めて。経済活動やインフレの判断は前回の声明に一致。委員会は景気見通しに与える影響を監視していくとの文言に、「世界の展開やインフレ圧力の抑制を含めて」、と加えた。

今後の金融政策を探る上で注目されていたFRBのスタッフ予測では、全てのFOMCメンバーが2020年を通じて政策金利の据え置きを想定している。

また、FOMC後の会見で、パウエルFRB議長は、金融緩和が「依然緩和的」と言及。さらに、利上げには「著しく、持続的なインフレの上昇が必要になる」と、利上げの壁が非常に高いことを示唆した。また、労働市場に関しても、「労働市場は強いが、ひっ迫しているかどうかわからない」としたほか、「低い失業率でも、スラックがある」と、労働市場にも慎重な見解を示している。また、インフレに関しても、「2%以下にとどまるインフレは不健全になる可能性」を警戒。また、「世界中でディスインフレが強い」としており、海外の影響もあり、インフレの上昇が容易ではないことも示唆している。

このため、市場は、FRBの潜在的な次の行動が依然、「利上げよりも利下げに傾斜している」ととられている。ドル売りに拍車がかかった。

■ドル売り要因
*パウエルFRB議長は会見で、金融緩和は「依然緩和的」と言及。
「利上げには著しく、持続的なインフレの上昇が必要」
「労働市場は強いが、ひっ迫しているかどうかわからない」
「失業率が3.5%でもスラックが存在」「2%以下にとどまるインフレは不健全になる可能性も」「世界中でディスインフレが強い」

■ドル買い要因
FRBは2020年を通し、据え置き予想
「USMCAの発効は不透明感を削除し経済を支援へ」


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配信元: フィスコ