米ドル/円、足もとの注目ポイントとその見通しは?
【注目ポイント1】日足チャート・コアレンジ:「108.00~109.370円」
【注目ポイント2】月足チャートでは“壮大な三角保ち合い”が継続中
【戦略見通し】レンジ・ハントがしばらくワークしそう
変動相場制移行(1973年)以来、最小の年間高低差となっている米ドル/円
本稿執筆(11/22)時点における、2019年1~11月の米ドル/円・年間高低差は「8.01円」(高値:112.360円[4/24]、安値:104.350円[8/26])となっており、筆者の調べる限りにおいて、1973年の変動相場制移行以来、最小値幅での推移となっています。
別図チャートを見ても、1) 21日MA(移動平均線)が横向きとなっていること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、3) 各BB(ボリンジャーバンド)が21日MAに対してパラレルに推移していること、4) ローソク足が青色の雲(=サポート帯、先行スパン)の中で推移していること、5) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方にあること、そして、6) DMI(方向性指数)で+DIと-DIが絡み合い、ADXが低位にあることから、足もとの米ドル/円は、上下圧力が拮抗するレンジ相場となっていることが視認できます。
以上のメルクマールを概括すると、今後1~2週間のスパンにおける米ドル/円の“主戦場”(コアレンジ)は、BB・±2σライン内(≒108.000~109.370円)と想定されます。
そんな中、相場を俯瞰的に眺めるために、タイムフレームを月足チャートに替えてみましょう。
米ドル/円、ビッグトレンドが出現しにくい相場環境
別図チャートにおいて、「ローソク足>20ヵ月MA:上昇トレンド期」、「ローソク足<20ヵ月MA:下降トレンド期」、「ローソク足≒20ヵ月MA:レンジ相場期」とすると、米ドル/円は、月足チャートレベルにおいても、2016年11月の“トランプ・ラリー”が一息ついた同年12月を起点に「レンジ相場期」が継続していることが分かります。
また、2015年6月以降の米ドル/円は「上値切り下げ、下値切り上げ」が継続する“壮大な三角保ち合い(もちあい)”を形成しており、当面は三角形の鋭角部分(上図黄色矢印)に向けてナローな相場展開になることが予想されることもあり、数ヵ月スパンにおいて狭いレンジ内での“往って来い相場”となる可能性も。
一方で、上図三角保ち合いの形状は、「対称三角形型」と呼ばれ、上値抵抗線ないしは下値支持線を上下ブレークした場合は、ビッグトレンド発生の可能性もあるため、注意が必要です。
さりながら、足もとにおける米ドル/円相場は上下ビッグトレンドが出現しにくい相場環境となっていることから、当面の投資戦略はレンジ・ハント主体のフォーメーションを構築すべきでしょう。