14日の香港市場概況:ハンセン0.9%安で続落、減益決算でテンセント2.3%下落

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/14 18:00
14日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比247.77ポイント(0.93%)安の26323.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が91.74ポイント(0.87%)安の10427.38ポイントとそろって続落した。売買代金は744億5400万香港ドルとなっている(13日は791億500万香港ドル)。

米中協議と香港情勢の不透明感が続くなかで投資家心理が悪化する流れ。米中通商協議を巡っては、米メディアは13日、「農産物購入の数値目標を合意文書に盛り込むことに中国は難色を示し、部分合意の障害になっている」などと報じた。香港では抗議デモによる交通網混乱などにより、本日は小中高と幼稚園がすべて休校、休園となっている。香港教育局は15~17日の休校も決めた。13日夜、頭部に警察催涙弾が直撃した15歳の少年は病院に緊急搬送され、意識不明の重篤な状態。市民と警察の対立が一段と激しさを増している。複数メディアは14日、「香港政府が夜間外出禁止令の発動を検討中」などと伝えた。

中国景気の先行きも不安視。取引時間中の公表された10月経済指標では、1~10月の固定資産投資が前年同期比5.2%増にとどまり、記録が確認できる1998年以降で過去最低を記録した。

ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)と中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)、不動産事業を中核とする香港コングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)がそろって2.3%安と下げが目立った。テンセントに関しては、7~9月期決算が13%減益と低迷し、3四半期ぶりの減益に落ち込んだことが嫌気されている。

業種別では、家電やスポーツ用品など消費関連が安い。TCL電子HD(1070/HK)が7.9%、海信家電集団(921/HK)が3.4%、海爾電器集団(ハイアール電器:1169/HK)が2.7%、361度国際(1361/HK)が15.6%、李寧(2331/HK)が2.1%、特歩国際(1368/HK)が1.8%ずつ値を下げた。10月の中国小売売上高は、伸び率が予想を下回り、4月に付けた今年最低水準に面合わせしている。361度国際に関しては、監査法人が突然変わったこともマイナス材料視された。

海運・港湾セクターもさえない。中遠海運HD(1919/HK)が2.0%安、太平洋航運集団(2343/HK)が1.2%安、招商局港口HD(144/HK)が1.0%安、中遠海運港口(1199/HK)が2.9%安、天津港発展HD(3382/HK)が1.4%安で引けた。

一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16%高の2909.87ポイントで取引を終えた。医薬品株が高い。ハイテク株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。公益株、不動産株の一角も売られた。

【亜州IR】


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配信元: フィスコ