ドル円は伸び悩むも107円台は維持=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/10/08 04:57
 NY時間の終盤に入ってドル円は伸び悩んでいるものの107円台は維持している。きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となり107円を回復。今週の米中閣僚級協議への期待感が高まっているようだ。ドル円はストップを巻き込んで一時107.45円近辺まで上昇する場面が見られたが、一部報道で中国商務省が「中国は米国と合意する用意がある。交渉の複数の部分で両国は合意」と述べたことが伝えられ、買い戻しが膨らんだ模様。

 今週10日の米中閣僚級協議を前に市場も神経質になっている。米側が中国に対して求めている産業への補助金廃止などに関しては中国側は難色を示しているようで、トランプ大統領に弾劾リスクが台頭している中、中国側は議論の範囲狭めたい意向との報道も流れていた。いまのところは、全体的合意は難しいものの、部分的合意への期待感はあるといったところで、そのほかは来年に先送りとの見方もできそうだ。

 ドル円は107.70円付近に21日線と100日線が来ており、目先の上値メドとして意識される。

 ユーロドルは後半になって伸び悩む動き。今月末のFOMCでの利下げ期待が強まる中、為替市場はドルの上値が重くなっている。ユーロドルも前半は買い戻しが優勢となり、きょうも21日線が控える1.10ドルちょうど付近まで一時上昇した。しかし、1.10ドルの上値抵抗も強く、後半に入って戻り売りに押される格好となっている。

 ドイツ経済が不調で第3四半期のGDPがマイナス成長となり、テクニカル的リセッションに陥るとも見られている中、ユーロを買う手掛かりはない。また、米国によるEU車への関税賦課のリスクも根強くあり、ドル軟化もユーロ買いのインセンティブもない状況。

 ポンドドルはNY時間にかけて買い戻しが入り1.23ドル台を一時回復。ロンドン時間の序盤に売りが強まり一時1.22ドル台に値を落とす場面も見られていた。しかし、こちらも後半に伸び悩み1.22ドル台に再び値を落とす展開。

 英テレグラフが、ジョンソン首相は合意がなくとも10月31日にEUから英国を確実に離脱させるため法的手段に訴える用意があると報じていた。首相はEUへの離脱延期の要請を余儀なくされる事態を避けるため最高裁の判断を求める意向。首相が自ら法廷で証言に立つ可能性もあるという。合意なき離脱への警戒感はだいぶ後退しているものの、懸念は燻っている模様。

MINKABU PRESS 野沢卓美

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