今週の米ドル/円予想 米国の政策金利と金利動向(8/19週)

著者:山口哲也
投稿:2019/08/19 14:03

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円は反発。週初105.695で寄り付いた米ドル/円は、週間の安値となる105.035をつけるも米政府が対中関税について一部製品に対しては先送りすることを決定したことを受け週間の高値となる106.995まで上昇。その後は米国債市場において10年債利回りが低下し、2年債利回りを下回る逆イールドとなったことで景気後退懸念が高まり105.645まで下落するも、米国株の反発や逆イールドの解消により値を戻し106.310円で引けました。

今週の主な経済指標は以下のとおりでFOMC議事録公表や7月の米中古住宅販売件数、新築住宅販売件数などがありますが、先週から引き続き米国の長期金利動向に注目です。また、21日から22日にかけて開催される日米閣僚級貿易協議があり、更に22日から24日にかけてワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムにおいては、パウエルFRB議長の講演(特に予防的緩和と言うスタンスを崩していないのか、または、緩和サイクルへの移行を視野に入れているのかどうか)に注目が集まります。なお今年のジャクソンホールのテーマは「金融政策の課題」です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
移動平均線は上から順に52週MA(110.418)、26週MA(109.263)、13週MA(107.530)で、全て下向きとなっており、価格はその下に位置しています。8月5日週の高値107円190は7月15日週の安値と重なり、107.00から20がレジスタンスとして意識されます。サポートは直近の安値105.035ですが、107.190までの仲値が106.11と昨年末の安値とも重なるため目先のサポートとして見ています。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
200日MA(110.070)、一目の雲(上限109.250、下限108.073)が下向き、価格は200日移動平均線、一目の雲や基準線(107.183)の下側に位置しており、注目イベントを控えて、方向性は出にくいと考えられるものの上値の重い展開を予想します。
先週の高値は106.990で、基準線が107.183にあることから目先のレジスタンスは週足でお伝えした107.00から20、目先のサポートは転換線の位置する106.013で、これを下回る場合は105.035が再度視野に入ります。

このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想