米ドル/円、戻り売り戦略がワークしそう

著者:津田隆光
投稿:2019/07/26 10:23

足もとの注目ポイントと見通しは?

米ドル/円・週足・複合チャート
【注目ポイント1】BB・±2σラインの“エクスパンション”
【注目ポイント2】「下降バンドウォーク崩れ」
【見通し】一旦上値固めをした後、再度下押しフローを想定
【投資戦略アイデア】戻り売り戦略

着目すべき2つのメルクマールについて

世界的な金融緩和競争が進むことが想定される中、いやが上にも次週(7.30-31)開催される米FOMCに耳目が集まります。

別図チャートでは、1) 26週MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足のやや下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなっている(別図青色丸印)ことから、米ドル/円・週足チャートでは、緩やかな下降トレンドを示すチャート形状となっていることが見て取れます。

着目すべきメルクマールは2つ。

まず1つ目は、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが26週MAに対して拡張する“エクスパンション”が見られること。当該シグナルは、「相場の力の拡散/発散」を示唆していることから、この場合は、今後下方向への相場力学が強まることを想定すべきでしょう。

そして2つ目は、ローソク足がBB・-1σラインと同・-2σラインの間で推移する“下降バンドウォーク”(別図青色四角枠)となっていること。当該シグナルは、2018年1-3月にかけても示現(別図黄色四角枠)し、比較的長い期間、そして大きな深度で「相場の下値切り下げ」となったことが確認できます。

そんな中、26日時点では、ローソク足がBB・-1σライン(≒108.376円)を上回り、「下降バンドウォーク崩れ」となりつつあるものの、前述した通り、ローソク足の上方に赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SARがあることから、上値トライの動きはある程度限定的であると見て良さそうです。

以上を概括すると、当面の米ドル/円の基本戦略は「戻り売り」とし、上値固めが完了した後は、BB・-2σライン(≒106.900円)付近までの下押しを想定すべきでしょう。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想