着目すべき2つのメルクマールについて
世界的な金融緩和競争が進むことが想定される中、いやが上にも次週(7.30-31)開催される米FOMCに耳目が集まります。
別図チャートでは、1) 26週MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足のやや下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなっている(別図青色丸印)ことから、米ドル/円・週足チャートでは、緩やかな下降トレンドを示すチャート形状となっていることが見て取れます。
着目すべきメルクマールは2つ。
まず1つ目は、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが26週MAに対して拡張する“エクスパンション”が見られること。当該シグナルは、「相場の力の拡散/発散」を示唆していることから、この場合は、今後下方向への相場力学が強まることを想定すべきでしょう。
そして2つ目は、ローソク足がBB・-1σラインと同・-2σラインの間で推移する“下降バンドウォーク”(別図青色四角枠)となっていること。当該シグナルは、2018年1-3月にかけても示現(別図黄色四角枠)し、比較的長い期間、そして大きな深度で「相場の下値切り下げ」となったことが確認できます。
そんな中、26日時点では、ローソク足がBB・-1σライン(≒108.376円)を上回り、「下降バンドウォーク崩れ」となりつつあるものの、前述した通り、ローソク足の上方に赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SARがあることから、上値トライの動きはある程度限定的であると見て良さそうです。
以上を概括すると、当面の米ドル/円の基本戦略は「戻り売り」とし、上値固めが完了した後は、BB・-2σライン(≒106.900円)付近までの下押しを想定すべきでしょう。