ユーロ下落、ドラギECB総裁が追加緩和示唆=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/06/18 20:29
ユーロ下落、ドラギECB総裁が追加緩和示唆=ロンドン為替概況

 18日のロンドン市場は、ユーロ相場が下落した。ドラギECB総裁が講演で、見通しが改善しなければ、追加緩和が必要にと述べたことが背景。ユーロドルは1.1240台まで買われていたが、一気に1.12台割れへと下落。ユーロ円も121円台後半から前半へと売られた。加えて、この日発表された独ZEW景況感指数が大きく落ち込んだほか。月次のユーロ圏消費者物価指数の伸びが予想を下回ったこともユーロ売り圧力となった。独ZEWは、景況感指数の急激な落ち込みは、世界経済の不透明感高まり、第2四半期初頭の独経済指標の悪化が背景とした。その後、トランプ米大統領が、ECBの刺激策について米国との競争にアンフェアだと批判、ユーロ買いに反応したが、動きは限定的だった。その他主要通貨は比較的小動き。ドル円は108.20近辺まで軟化していたが、ドラギ発言後は欧州株が上昇に転換、ドル円の下げは一服。ポンドドルは1.25台前半、ポンド円は135円台後半など前日から今日にかけての安値付近で揉み合っている。東京時間に豪中銀議事要旨で追加緩和が示唆されて下落した豪ドルは、欧州株高とともに下げ一服。

 ドル円は108円台前半での取引。東京市場での下落を受けてロンドン序盤には安値を108.20レベルまで広げた。しかし、その後はドラギ発言を受けた欧州株高で下げ一服。戻りは108.30台までと限定的な値動きとなっている。米10年債利回りは2.04%台へと一段と低下しており、ドル円の上昇を抑制している。

 ユーロドルは1.12近辺での取引。東京市場ではドル安傾向でジリ高となっていた。ロンドン序盤には一時1.1243レベルまで高値を伸ばした。しかし、ドラギECB総裁が講演で、見通しが改善しなければ、追加緩和が必要、と発言したことでユーロ売りが強まった。一気に1.12台を割り込んだ。加えて、この日発表された独ZEW景況感指数が大きく落ち込んだほか。月次のユーロ圏消費者物価指数の伸びが予想を下回ったこともユーロ売り圧力となった。ユーロドルは1.1181レベルまで安値を広げた。独ZEWは、景況感指数の急激な落ち込みは、世界経済の不透明感高まり、第2四半期初頭の独経済指標の悪化が背景とした。その後、トランプ米大統領が、ECBの刺激策について米国との競争にアンフェアだと批判、ユーロ買いに反応したが、動きは限定的だった。ユーロ円は121.70近辺から一時121.08レべルまで下落。その後の戻りは121.40近辺まで。複数のECB当局者は、新たな緩和策では利下げが最優先とみている、と報じられており、ユーロの上値を抑えている。

 ポンドドルは1.25台前半での取引。ユーロ相場が大きな動きをみせるなかで、模様眺めとなっている。1.2520台から1.2540台のレンジでの揉み合い。ポンド円は135円台後半での推移。安値を135.54近辺まで広げたが値幅は狭い。ポンドドルとともに、前日からの安値付近での揉み合いとなっている。対ユーロではポンド買いが優勢。ユーロポンドは0.8960近辺から一時0.8920近辺まで下押しされた。この日は2回目の英保守党党首選が行われているが、ジョンソン氏の優勢に変化はみられていない。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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