仮想通貨ビットコインキャッシュが一時前日比70%高を記録【フィスコ・アルトコインニュース】

配信元:フィスコ
投稿:2019/04/03 17:37
3日のビットコインキャッシュ価格は急伸、CoinCheck上で32,000円の高値を記録、一時前日比70%高を記録した。仮想通貨市場が全面高にある中でも、特に大きな上昇を記録している。なぜ、ビットコインキャッシュが高い上昇率を記録したか、状況を追って行こうと思う。

市場にアンダーバリューと見られたか
仮想通貨市場は2日、ビットコインの今年最大の上昇幅となる価格高騰を受け全面高に、複数の専門家など過去最長の弱気相場が転換した可能性が高まったとの見方が広がっており、最高値からの騰落率で劣勢に立たされたアルトコインへの資金の出戻りが加速している。

これは、低時価総額などによる高いリスク資産性が影響したことなど、下落相場における市場下落の余波を強く受けたことで、資金流出が加速、想定以上の下落を引き起こす「アンダーバリュー」の現象が起きていたことなどが理由に挙げられる。

特に、ビットコインキャッシュは昨年末のアップデートを巡る陣営の対立により、マイニングコストを度外視した敵対的なブロック生成を競う「ハッシュ戦争」が行われたことで、マイナーの利権争いへの懸念まで問題が発展していた。

仮想通貨市場の下落要因として極めて高い下落率を記録しており、「アンダーバリュー」いわゆる売られ過ぎとの見方が強まったと考えられる。

時価総額を掲載するCoinMarketCap上でも確認できるように、ビットコインキャッシュに関連するBitcoinCash(ABC)とBitcoinSV共に他の水準を記録しており、明らかな下落ファンダの影響を受けて下落した、各通貨への買い戻しが行われている。

ビットコインキャッシュのネットワークの状況に良い変化
また、ビットコインキャッシュの下落タイミングになったハッシュ戦争と通貨分裂以降、厳しい状況に置かれていたビットコインキャッシュのネットワーク状況が改善してきたことは、資金流入への変化として重要な理由となる。

まず、ビットコインキャッシュを掘るマイナーのハッシュが分裂したことで、特定のマイニング業者に偏っていたハッシュレートの比率が分散化の状況へと戻りつつあることが確認された。

ビットコインキャッシュのハッシュレート値は、直近2週間でビットコインを超える上昇率が確認(3ヶ月で1.8倍)されているほか、最も高い比率のマイニングプールで16%台に留まるなど、ネットワークの分散化が見られている。

ビットコインキャッシュのハッシュレートでは、昨年末の通貨分裂以降不安定な状況が続いており、1月のはじめにあたる3日には50%を超えるハッシュレートが一つのマイニングプールに集権化する動きが確認されていたことも踏まえると、3ヶ月間で大きくネットワークの正常化が進み、市場においても重要な変化が起きていることを示すデータとなる。

ハッシュレートの分散化は、非中央集権化のネットワークを前提としたPoWアルゴリズムにおいて極めて重要な意味を持ち、50%を超えると51%攻撃といったネットワーク内の改ざんが可能になる危険性も孕んでいる。

要するに、ブロックチェーン上で取引される仮想通貨において通貨価値にも影響する重要な問題であるといっても過言ではない。投資家心理の改善と併せてビットコインキャッシュの買い戻しを促す、一つの要因と言えるだろう。

UTXOセットサイズが増加
また、Bitcoin.comのデータによると、ビットコインキャッシュのUTXOセットサイズが過去最高値まで増加していることが確認された。

UTXOとは
UTXOとは、「unspent transaction output(未使用のトランザクションアウトプット)」のことで、簡単に言えばoutput(送金)されてない=未使用のトランザクションのoutputの記録の代わりとなる。これはビットコインを含めた特定通貨の残高管理方法の一つとしても用いられる方法である。

Bitcoin.comは、UTXOセットサイズの増加に対し、ビットコインキャッシュの将来性における価格上昇に直結する動きであると分析した。

なお、UTXO数としても増加傾向が見られており、「多くのユーザーがビットコインを買い集めている可能性がある。」と指摘など、通貨の保有比率の増加を示すデータとしても注目が集まっている。

今後期待されるビットコインキャッシュの注目イベント
ビットコインキャッシュの注目イベントや期待されている材料としては以下の2点が挙げられる。

• 2019年5月頃:匿名機能やスケーリング機能向上などのアップデート
• 2020年4月頃:マイニング報酬の半減期

アップデートに関して
ビットコインキャッシュの開発において、開発やマイニングを含めて事業を展開するBitcoin.comが語った。

2019年に入りビットコインキャッシュの開発状況が進み、現在スマートコントラクト実装やオープンコードの開発に力を入れていると発表。また、今年の5月には、「Schnorr」プライバシー技術を用いた匿名技術の導入とスケーリング向上を目的とした機能アップデートの実装が予定されているという。

ビットコインキャッシュのプライバシー技術に関しては、米国の第1四半期において(1-3月)、Neutrino lightクライアントとCashshuffleプロトコルの導入によって、大幅に改善されている。

半減期について
マイニングの半減期は、PoWアルゴリズムを採用する通貨を中心に、市場に供給される新規通貨流入が減少する要因として、価格上昇要因として注目されるファンダメンタルズ要因だ。

半減期とは、合意形成アルゴリズムとしてPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用する通貨などで見られるマイナー報酬が半減する時期。半減期後はマイニングの成果として受け取る報酬通貨が半分となるため、需要と供給の関係上、通貨価格が上がる傾向にある。

ビットコインキャッシュの半減期は、カウントダウンを行うサイトによると2020年の4月7日、約1年後に予定されている。

特に直近で半減期が迫るライトコインが、半減期を主要ファンダメンタルズ要因に価格上昇を続けていることから、過去の事例を含めて今年8月に予定される「半減期」への期待感が高まっている。

ビットコインなどの半減期を含め過去の事例から1年〜半年にかけて半減期が要因として見られる上昇が確認されており、直近1ヶ月から数週間前より事実売りによる下落が起きている。

(記事提供:コインポスト)
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