今週の米ドル/円予想 保ち合い相場から抜け出すか?(2/25)

著者:山口哲也
投稿:2019/02/25 12:13

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済指標
先週の米ドル/円(TFX)は底堅く推移。週初110.490で寄り付いた米ドル/円(TFX)は、主要株価指数が堅調に推移したことから110円台半ばから110円台後半で徐々に下値を切り上げながら小幅に上昇いたしました。週間の高安の差は0.525円。終値は110.670。

今週の主要経済指標は以下のとおりです。経済指標においては、週末の28日と3月1日に主要な経済指標が集中しており、特に28日の米第4Q実質GDPと3月1日(日本時間3月2日0時)の米2月ISM製造業景気指数に注目です。
また、モラー特別検察官によるロシアゲート疑惑に関する報告書の提出、パウエル米FRB議長の議会証言(26日、27日)、ベトナムで開催される米朝首脳会談(27日~28日)、非常事態宣言をめぐる米国の債務上限引き上げ協議などもあり、今週から来週にかけてマーケットに大きく影響しうるニュースが飛び交う可能性があります。
これまで継続されていた米中貿易協議については、結局先週末までに纏まらなかったとはいえ、ヘッドラインはこの協議が上手く進んでいると報じられていることに加え、中国への関税引き上げ期限が延長をトランプ大統領がTwitterでつぶやいていることもあり、マーケットは楽観的なスタンスになっています。

ただし、世界経済が鈍化しつつある中、米国の欧州車や日本車への関税引き上げ懸念やイギリスのEU離脱問題などもあり注意が必要です。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円は52週移動平均線と13週移動平均線を上回り、ストキャスティクスも上昇傾向のまま50%を超えました。ドルと日本円については、ドルが買われると円も買われ、ドルが売られると円も売られるといった状況で、米ドル/円は上昇しているとはいえ値動きは小さいものとなっています。
今後も何かしら日本に起因する、又は日本が関連するようなドライバーがなければ、当面はこのような展開が続くものと考えられます。
テクニカル的には、13週移動平均線が52週移動平均線を下回ったものの、当面は引き続き底堅い展開が考えられます。目先のサポートは52週移動平均線が位置する110.471や13週移動平均線が位置する1110.372で、仮にこれらを下回る場合は、途転売りを考えたいところです。
レジスタンスは111円(先週の高値110.965、先々週の高値111.135)処を考えています。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
一方日足チャートは、先週もお伝えのとおり200日移動平均線に日々線や遅行スパンが上値を抑えられる形になっています。短期的には転換線や基準線の向きから一目の雲の上限(110.193)をサポートに押し目買いを考えたいところですが、200日移動平均線はレジスタンスとして今後も意識されやすく、小さな値幅で利食いを狙っていく局面と思われます。
逆にチャートポイントとして意識される110円を下回るようであれば、基準線や雲の下限まで下落する可能性があります。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想