FOMC前に株安・ドル売り・円高が優勢に ドル円は112円台に下落=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/12/18 03:29

 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっており、ドル円も112円台に下落している。朝方発表になったNY連銀指数が予想を下回ったことをきっかけに、NY時間に入って更にドル売りが強まっている。

 また、今週は今年最後のFOMCが控えており、ドルのポジション調整も出ている模様。市場では利上げが確実視されているが、それは織り込み済みで、注目はFOMCメンバーによる来年の利上げ見通しとなりそうだ。9月FOMC時点では来年は3回の利上げが予想の中央値となっていたが、市場は利上げ予想の回数が少なくなると見ている。現在の市場は1回の利上げを織り込んでいるが、果たしてどうか注目される。

 朝方にトランプ大統領は「FRBがなお利上げを検討していることすら信じられない」とプレッシャーをかけていたほか、ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長も、今週は利上げすべきではないと述べていた。市場の利上げ確率は若干下がっているものの、それでも80%程度で推移。

 国境の壁建設でトランプ大統領と下院で多数を占める民主党と意見が対立しており、トランプ大統領は先週、「もし、壁建設の予算が承認されず、政府機関が閉鎖されても誇らしいこと」と述べ、一部政府機関閉鎖も辞さない構えを見せている。市場はこれもリスクとして意識している模様。

 米株式市場が下げ止まらないなか、ドル円は113円を割り込み112.75円付近まで下落。きょうの下げで再び21日線を下回って来ているが、112円台の下値サポートとしては112.60円、112.25円付近が意識される。

 ユーロドルは本日高値圏で推移。きょうは買い戻しが優勢で1.13ドル台半ばまで上昇。現在は21日線が控える1.1355ドル付近まで上昇しているが、そこから上値には慎重さもうかがえる。

 先週のECB理事会で資産購入停止は打ち出したものの、ドラギ総裁は慎重姿勢を強調し、ユーロは売りが優勢となった。英EU離脱問題やイタリア、フランスなど先行き懸念は依然として根強く、ユーロは上値が重い。きょうはユーロ買いというよりも、今週のFOMCを控えてドル売りが強まっており、ユーロドルを押し上げている印象。なお、ユーロ円は売りに押されており128円を割り込む場面も見られた。

 ドル安のなかポンドも買戻しが見られているものの、上値が重い印象は否めない。英BBCが英労働党のコビー党首が、メイ英首相が離脱合意案に対する議会投票の日付けを決めなければ、不信任投票を要求と述べていた。しかし、メイ首相は議会採決を1月14日の週に実施すると発表した。議会採決で否決された場合、他に案はないとも述べていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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