感謝祭前に模様眺めの雰囲気が強い ドル円は113円付近で振幅=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/22 03:32
 きょうのNY為替市場はドル売りの動きも見られるものの、全体的には模様眺めの雰囲気が強い。感謝祭前で市場参加者も少なくなっている模様。ドル円は113円ちょうど付近で推移。きょうは株安・原油安が一服しており、円安の動きがドル円をサポートしている。ロンドン時間には113.10円付近に来ている21日線まで戻したが、そこから上は戻り売り圧力から上値は抑えられている状況。

 このところの株安・原油安で市場には景気の先行き不透明感が台頭し始めている。そのような中、一部報道がFRB高官の話として、FRBが段階的な利上げを休止する可能性の検討し始めており、来年春にも利上げサイクルを終了させる可能性があると伝えた。12月の利上げはほぼ確実視されるものの、利上げ休止の議論は3月FOMCから活発になり、6月には確実に議論されるという。

 ただ、FRBの利上げ休止の見方は時期尚早との意見も出ている。来月のFOMCは、利上げは確実視されているものの、既に織り込まれており、金利に関してはあまり材料視されないであろう。注目はいつもの通り、FOMCメンバーの金利見通しとパウエルFRB議長の会見になるであろう。9月のFOMCでは来年2回の利上げがコンセンサスになっていたが、その辺に変化があるか注目される。

 ユーロドルはNY時間に入って戻り売りに押され1.13ドル台に再び下落している。きょうは株安、原油安が一服する中、ドル売りが優勢となり、ユーロドルは1.14ドル台に買い戻されていた。明日の感謝際休暇を前に市場も次第に閑散となりつつある中、1.14ドル台の上値が重かったことから短期筋の見切売りが出ているのかもしれない。

 きょうは欧州委員会が加盟国の年次レポートを公表していた。その中で欧州委員会はイタリアの予算案に関して、法令を遵守していないと言及したほか、成長への悪影響のリスクを指摘していた。市場では欧州委員会はイタリアに対する制裁に向けて一歩踏み出したと見方も強まっている。

 ただ、イタリア債は上昇しユーロへの影響も限定的だった。むしろ、イタリアのサルビニ副首相が若干の修正にオープンとの発言に市場は敏感に反応した模様。ある程度想定されていたこともあり、きょうのところは、あまり材料視されなかった模様。

 ユーロドルは1.1370ドル付近に21日線が来ており、動向が注目される。今月に入って買い戻しの流れも見られていたが、なお下向きのトレンドは残っているようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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