【これからの見通し】EU離脱合意期待のポンド買いの継続性は、米国ではCPI

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/11/14 15:55
【これからの見通し】EU離脱合意期待のポンド買いの継続性は、米国ではCPI

 昨日の海外市場では、株安の動きが一服し、円安の動きが優勢だった。なかでもポンドの強さが目立っていた。EU離脱関連の前向きな報道が相次いだことが背景。英国とEUが離脱の条件について事務レベルでの合意に達したもよう。きょうは英閣議が開催されて離脱案についての承認を取り付ける運びとなっている。ただ、英政権内がひとまずまとまったとしても、次は英議会での承認が待っている。昨日は北アイルランド地域政党のDUPが野党労働党になびくような報道もあった。DUPはメイ首相率いる保守党との閣外協力を行っているが、その行動には今後注意が必要になろう。

 ポンドドルは足元では1.30台をやや割り込む水準で取引されている。昨日の交渉前進ムードのなかで1.30台前半まで大幅上昇したが、大台乗せでは売買が交錯していた。きょうはポンド買いの持続性が試されるところだ。

 ポンド関連のイベントとして、日本時間午後6時半に10月の英消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数などが発表される。最も注目度の高い消費者物価指数・前年比の伸びは+2.5%と前回とほぼ同水準が見込まれている。ポンド相場にファンダメンタルズ面からも支援が得られるかどうかが注目される。

 その他の材料としては、ドイツGDP・速報値(第3四半期)、ユーロ圏GDP・改定値(第3四半期)、ユーロ圏鉱工業生産(9月)など欧州経済指標の発表が予定されている。ドイツGDPは前期比マイナス成長が予想されているが、ユーロ相場は織り込み済みとみられる。ただ、予想以上の低下となれば、売りに反応しそうだ。また、イタリア政府は修正予算案をEU側に提示したが、内容は前とほぼ同様のものとなっていた。イタリア債や株式の下げが収束してくるのか注意してみたいところだ。

 米国では10月の米消費者物価指数が注目されている。事前予想は前月比+0.3%、前年比+2.5%といずれも前回から伸びが加速する見込み。12月利上げ観測を強める内容が期待されている。そのほかには、MBA住宅ローン申請指数(9日までの週)が発表される程度。株式関連では製薬大手メルクの決算が発表される。トランプ米大統領の言動が市場を荒らしており、原油安が継続することには注意が必要。一方、自動車輸入関税について保留との報道は好材料に。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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