米ドル/円予想 注目は中間選挙 テクニカル的には買いか(11/05週)

著者:山口哲也
投稿:2018/11/05 12:24

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要経済イベント
先週の米ドル/円は大幅に反発。週初111.835で寄り付いた米ドル/円は米金利や米株式の上昇により買われ10月31日には113.400まで上昇。その後、ISM製造業景気指数が市場予想を下回ったことなどにより、112.600まで下押しするも週末にはトランプ大統領が米中貿易に関する発言などにより、米金利が上昇し113.330まで値を戻しました。終値は113.180。
注目されていた米10月ISM製造業景況指数は57.7(市場予想:59.0)、米10月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比25万人増(市場予想:同20万人増)で前回分は13.4万人増から11.8万人増に下方修正され、失業率が3.7%(市場予想3.7%)、平均時給が前月比+0.2%(市場予想:同+0.2%)前年比+3.1%(市場予想:同3.1%)でした。
今週の主な経済指標は図のとおりで、日本時間6日の午前0時に発表される米10月ISM非製造業景気指数や同じく11月9日午前4時に発表されるFOMCなどもありますが、なんと言っても、6日の米中間選挙に注目が集まります。
米中間選挙は上院の3分の1と下院の全議席が改選され、その他、州知事等の選挙がおこなわれますが、現在、上院・下院とも過半数を共和党が占めているのに対し、今回の中間選挙でこのバランスがどうなるかが論点となっています。
世論調査では10月時点で民主党の支持が11ポイントリードしていましたが、11月時点では7ポイントまで低下しております。一般的に中間選挙の投票率は大統領選よりも低く、共和党支持層よりも民主党支持層の方がさらに投票率が低くなりやすい傾向にあります。

中間選挙において、メインシナリオは一般的に上院が共和党、下院が民主党となるケースで、この場合トランプ政権が打ち出す追加景気刺激策が通りにくくなります。
サブシナリオは上院、下院ともに共和党となるケースで、この場合財政拡大や減税などの政策が打ち出されれば、米景気の短期的な上振れに繋がりますが、財政悪化懸念も高まり、景気後退期への転換が早まる可能性があります。
最後のシナリオは上院、下院とも民主党となるケースですが、蓋然性は低いものと思われます。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
先週の米ドル/円は13週移動平均線を再度上回り、先週の高値も上回っています。
また、ストキャスティクスも50%を超える水準で%D(白い線)がSlow%D(赤い線)を上回っており、引き続き、中長期的には上昇トレンドと見ています。
13週移動平均線が位置する112.20をバックに押し目買いを考えたいところです。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
日足チャートは、価格が一目の雲や200日移動平均線の上側に位置しており、先週は一目の雲に下支えられながら、転換線や基準線を上回って推移しているため、中短期的にも上昇トレンドと見ていますが、一目の遅行スパンの上に日々線が位置しているため、113円台半ばは、目先のレジスタンスとして意識されます。逆にサポートは、基準線の位置する112.97前後、その下が一目の雲の上限となる112.64前後を考えています。


このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想