小次郎講師の徹底解説【テクニカル分析の重要性】

投稿:2018/08/10 10:00

「新コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第4回


□皆さんこんにちは。小次郎講師です。


■助手のムサシです。
 小次郎講師今日はどんなことを教えてくれるんですか?

□今日は前回に続いて「トレンド」の話。これを究めていこうと思う。

■僕思ったんですけど、小次郎講師って、トレンド好きですよね。

□そりゃそうだ。
 日々のトレードで大きな利益を上げようと思ったら、「トレンドをしっかりと見抜く目」と「トレンドに付いていく素直な心」が必須だからね。

■心、ですか。抽象的になると途端に自信が…

□君は他でもそうだろ。
 でも大丈夫。心とは言ったが、トレンドについていく、つまり「トレンドフォロー型」になることは勉強することによって誰にでも体得可能だ。

■そうなんですか?

□正しい教えと正しい知識があればもちろん。
 むしろ安定したトレンドを捉えて大きな利益を上げることが、投資の醍醐味とも言える部分だぞ、ムサシ君。

■わ!それは楽しみですね。

□現金なやつめ。
 では早速前回の軽いおさらいから講義スタートだ。
 前回を読んでない方は、まずはそちらをご覧になることをオススメする。

1、トレンドライン・チャネルラインを引く理由

□さて、ムサシ君。なぜチャートを分析するにおいて、トレンドラインを引くのか覚えているかな?

■安定したトレンドだった場合、トレンドラインを底や天井として価格が切り上がったり切り下がったりするから、その線を割れ込んだら今までの流れが終焉するかも!?ということの予測が立つ、というお話でしたよね。

□その通り。よく覚えてるじゃないか。
 上昇トレンドだったら底をつないだ下値の線がサポートライン、下降トレンドだったら天井をつないだ上値の線がレジスタンスラインになりやすいということだ。

■深い話ですね、小次郎講師。

□でもここだけで話は終わりじゃないぞ。

■え、そうなんですか?もう究めたと思いましたよ。

□こらこら。君はすぐに学んだ気になるな。
 もう一つ重要な線として「チャネルライン」というものがある。

■チャンネル?テレビのチャンネルですか?

□ボケはいいから…と言いたいところだが当たらずとも遠からじだムサシ君。
 「Channel」はテレビのチャンネルと同じ意味で、経路、水路などの意味を持つ。この「チャネルライン」をトレンドラインと一緒に引いてみると、確かに真っ直ぐで水路っぽいぞ。
 

 

 
■本当だ。道みたいなものが出来上がります。

□チャネルラインとは
 ・トレンドラインと平行に、トレンドラインの反対側に引いた直線。
 (上昇トレンドでは波動の上側、下降トレンドでは波動の下側)
 ・波動が全て収まるようにという条件の下で波動に一番近いところに引く。

■要はトレンドラインと平行な、反対側の線ってことですね。

□さてムサシ君、なんでこの線が大事なのかわかるかね?

■えーと。安定したトレンドが発生している時、価格は波打ちながら上昇や下降を継続していく性質があるから、この線で大体の動くゾーンが分かる、とか?

□惜しい!だがかなり分かってきたじゃないかムサシ君。褒めて遣わそう。

■えへへ。

□相場に絶対はないが、この2つの線付近を行ったり来たりしながら価格が動いていけば、安定したトレンドが発生しているかもしれないという予測が立つ。
同じ値幅を維持しているわけだからね。

■確かに、トレンド相場を見た時に上昇も下降もこうなっているチャートをよく見る気がします。

□先ほどサポート・レジスタンスの話をしたが、トレンド発生時にはこの線がそれぞれ支持線・抵抗線になりやすいんだ。

■上昇トレンド時には、トレンドライン→支持線 チャネルライン→抵抗線
 下降トレンド時には、トレンドライン→抵抗線 チャネルライン→支持線
 の関係ですね。

□だからトレードで使うのであれば、
 上昇トレンドなら、トレンドライン近辺で買い、チャネルライン近辺で売り抜くというトレードが有効になる。
 下降トレンドなら、トレンドライン近辺で売り、チャネルライン近辺で買い戻すというトレードが有効になる。
 あくまで、そうなる可能性が高い、という話だが。

2、チャネルラインの持つ性質

■小次郎講師、トレンドラインを割った時にはそのトレンドの終了を予兆する、というお話でしたが、チャネルラインを超えたらどういう意味合いを持つんですか?

□いい質問だね。
 上昇や下降のトレンド発生中に価格がチャネルラインを割った場合、それはトレンドが加速していることを意味する。

■確かに上昇なら買いの方に、下降なら売りの方に波が強くなったということですからね。

□その場合、「いつ」という感覚も大切だ。

■「いつ」、ですか?

□そのチャネルラインのブレイクがトレンド相場のどの時期に起こったか。
 トレンドの初期・中期に起きた場合はそれだけ勢いが強いという目安だから大相場につながりやすい。
 だけどトレンドの終盤に起こった場合は相場が加速している、つまりトレンドと反対方向の売買ポジションを持っている投資家がもう耐えきれなくなって、「投げ」や「踏み」のロスカット注文を一気に出し、相場が加速したという可能性もある。

■そうなると、どうなるんですか?

□すると勢いが出尽くしトレンドがそこで一旦終了、今までの流れが収まる局面を迎える可能性が出てくる。「トレンドの終焉」というやつだ。
 だからトレンドの終盤にチャネルラインをブレイクした時は、そろそろ天井(或いは底)が近いというシグナルにもなる。

■なるほど、大事なポイントですね。

□特に上昇トレンドでは、加速した後一気に暴落!ということになりやすいから注意が必要だぞ。

【チャネルラインのブレイク】
・トレンドの初期・中期→大相場につながりやすい
・トレンドの終盤→天井(或いは底)が近いというシグナル
(上昇トレンドにおいて過熱した相場は天井を付けた後に暴落しやすい)

□また、もう1つのチャネルラインを引く理由としてあるのが、「トレンドの変化を素早く察知するため」というものだ。

■変化が早く分かるんですか?

□キーワードは「未達成」。
 まずこの図を見て欲しい。
 

 
■確かに「未達成」とありますね。これが何か?

□何かじゃないだろ。これを見て何とも思わんかね。

■難しいですね…

□やれやれ、少し考えれば分かるのに。
 先ほどのは、“チャネルラインを超えた場合“だっただろ?
 それと反対に今回のは“チャネルラインまで届かなかった場合”ということだから…

■あ!トレンドに勢いがなくなっているということですか?

□その通り。トレンドの勢いがなくなり、そろそろ天井(或いは底)をつけトレンドが変化するんじゃないかという第一予兆をチャネルラインを引くことによって知ることができる。

■第一予兆ということは、その後もあるんですか?

□トレンド終了の予兆は3段階ある。

【トレンド終了の予兆】
① チャネルラインを未達成
② トレンドラインを価格が割れ込む
③ (上昇トレンド時)前回の安値を下回る
 (下降トレンド時)前回の高値を上回る

■変化は①から感じ取れますが、どこまで進行したらトレンドが終了したと判断するんでしょうか。

□③まで進行したらトレンドは完全に終了したことになる。上昇トレンドと呼べるのは高値の切り上げ・安値の切り上げという条件があるからね。下降ならその逆。

■前回習ったダウ理論ですね。

□だからチャネルラインを意識していれば、トレンドラインを割るところまで行かずともトレンド終了をいち早く察知できるのだよ。どうだ、すごいだろう。

■利益確定の手じまいも早めに検討できますし、新たな逆トレンドの初動が察知できればそちらでも大きな利益につながる可能性が出てきます!
 これは大きなアドバンテージだ。

3、もみ合い時のトレンドラインとチャネルライン

□では最後にもみ合いの時も見ていこう。
 

 
■トレンドラインとチャネルライン、どっちをどう呼べばいいんだろう。

□この場合どちらがトレンドラインでどちらがチャネルラインとは正確に識別されていないが、上昇トレンドの後に出てきたもみあい相場→下限がトレンドラインで上限がチャネルライン、下降トレンドの後に出てきたもみあい相場→上限がトレンドラインで下限がチャネルラインと呼ばれることが多い。

■それまでの流れを引き継いでいるんですね。

□もみ合い相場はご覧の通り、価格の移動が横ばいになっている。
 だからトレンドラインとチャネルラインによってブレイクの意味合いが変わるというより、もみ合い相場の時はラインを破った方に新しいトレンドができやすい。

■もみ合い相場の時は上と下の両方に注意が必要、と。

□もし逆張りをするなら、下値の支持線まで下がったらまた上がると思って買う、上値の抵抗線まで上がったらまた下がると思って売るというトレードが有効とも言える。
 ただし、どこでもみ合いが離れるかは分からないから上級者でも難しい。
 再度もみ合いの中に戻るだろうと思って下値で買ったらそのままもみ合いを下にブレイクし、価格がどんどん下がっていくという相場も良くあるからね。

■それは恐ろしい…

□だからムサシ君もそこは注意したほうがいいぞ。

■はい!やっぱり僕はトレンドフォロー型なので、トレンドラインとチャネルラインを見て、出来上がった方のトレンドに素直についていこうと思います。

□ほら、トレンドに素直に付いていく心は体得できただろう。

■あ!小次郎講師すごいです!

□以上、これにて第4回講義終了。

■起立、礼!
 

「小次郎講師の先物流儀」 http://f-blog.jp/kojiro/
「小次郎講師流タートルズ投資塾」 http://www.masters-tv.net/
【DVD】 http://money01.h8w.co.jp/lp/06/
【動画】小次郎講師のテクニカル分析講座
 http://commodityonlinetv.com/basic-the-commodity/
【チャート】公式一目均衡表チャート http://ichimoku-chart.com/


配信元: みんかぶ株式コラム