今週の日経225相場予想 レンジ相場が続くか(8/6週)

著者:山口哲也
投稿:2018/08/06 11:44

【先週の日経225の動向と今週の主要イベント】

先週の日経225(TFX)は小幅反落。週初22,728円で寄り付いた日経225(TFX)は、一時22,443円まで下落するも、その後は、概ね22,650円を中心に22,400から22,900円までの間で推移し、22,681円で引けました。
注目されていた雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想の19.5万人を上回る21.3万人と強い結果となった一方で、求職者が増えたことにより失業率は前回の3.8%から4.0%(市場予想は3.8%)に悪化。平均時給も前月比+0.2%(市場予想は前月比+0.3%)と前回の+0.3%から伸びが低下しました。

注目されていた日銀金融政策決定会合では、物価見通しが引き下げられ、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を決定。低金利を長期化することや、長期金利の操作(YCC)については上下にある程度変動しうるものとし、ETFのTOPIX型の買い入れ割合を増やすことなどが公表されました。

また、8月1日(日本時間8月2日)のFOMCは、経済見通しやFRB議長の記者会見が無いFOMCとなるため、予想どおり金融政策に変更はありませんでしたが、声明文においてFEDが米国の景気に対し強気で見ていることが伺える内容で、米国の景気が失速することが無ければ、次回9月26日のFOMCで政策金利が引き上げられるものと思われます。
なお、先週末に発表された雇用統計については、非農業部門雇用者数が前月比15.7万人増(市場予想: 19.3万人増)、失業率が3.9%(同:3.9%)、平均時給が前月比+0.3%(同:+0.3%)で、非農業部門雇用者数は市場予想より弱いものの、過去分が上方修正されたことから、全体的には強い結果と読み取れます。

今週の主な経済指標は図のとおりで、特に10日に発表される米国7月の消費者物価指数に注目しています。
米国の消費者物価指数は、昨年9月以降前年比で2%を上回り、且つ、上昇傾向となっておいます。
今回の市場予想は2.9%でこれを大きく上回るようであれば、9月だけでなく12月のFOMCの利上げの可能性も高まります。

【日経225(TFX) 週足 チャート】

【日経225(TFX) 週足 チャート】
日経225(TFX)の週足チャートです。
先週の日経225(TFX)は、一時、13週移動平均線を下回る局面もありましたが、終値ベースではこれを上回って引けました。価格の位置としても各移動平均線の上に位置しており、移動平均線の並び順も高いところから短期・中期・長期となっているため、引き続き押し目買いのタイミングを測りたいところです。

【日経225(TFX) 日足 チャート】

【日経225(TFX) 日足 チャート】
日経225(TFX)の日足チャートです。
一方、日足チャートは、価格が200日移動平均線や一目の雲の上側に位置していますが、基準線が下向きでストキャスティクスも下降基調となっているため、当面は下値を模索する展開となりそうです。


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山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想