~医薬品製剤用の機械で世界の最先端を走り、EV電池部材分野も開拓~
【ポイント】
・2Qから受注環境が大きく好転している。今年4月からの薬価改定に向けて、前下期からジェネリック向け製剤機械の受注に急ブレーキがかかったが、新たな案件が動き始めている。抗がん剤などの高薬理活性剤への投資が拡大する。コンテインメント(封じ込め)がしっかりした製剤機械システムにしないとハザード(害)が生じる。この分野が盛り上がっている。
・インバウンド関連で、一般市販用の医薬向け機械、健康食品用の機械の受注が増加している。最先端の連続生産用製剤機械の市場開拓も始まった。収益性の高い医薬品添加剤では、国内に加えて、海外市場の拡大が見込める。また、リチウムイオン電池用の部材を作る機械の受注も急ピッチで立ち上がっている。
・一方で、期待の錠剤印刷機械タブレックスは、新製品の納入先での生産対応に時間を取られ、上半期は十分な受注活動が展開できていない。下半期には受注に邁進できようが、ここの遅れが今期の業績には下押し要因となろう。
・中期5ヵ年計画では、国内のジェネリックブームが一巡してくることを前提に、製剤機械の新製品開発と市場開拓、医薬品添加剤の独自分野でのグローバル展開、リチウム電池の電極用コーティング装置の開発など、製剤機械以外の分野の開拓に力を入れている。
・2022年2月期の計画では、売上高300億円、営業利益30億円、売上高営業利益率10%、ROE 8%以上を掲げている。国内の製剤機械が調整しているが、これをカバーする新領域が拡大してくるので、会社計画を達成することは可能であろう。
・国内の製剤機械の国内受注は、従来年間60億円ペースであったものが、2017年2月期は80億円まで拡大した後、2018年2月期は半減した。しかし、一時様子を見ていた製薬企業も動き出しているので、ここからさらに減少するという展開ではない。
・今2019年2月期の業績が落ち込むのは避けられず、会社計画を下回ることになろう。しかし、新しい分野の寄与が高まってくるので、来期からは増益に転換してこよう。当社の競争優位は変わっていないので、グローバル市場での市場開拓に注目したい。
目 次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、世界でも3強の1社
3.中期経営計画 新製品の開発力を強化、海外市場の開拓に取り組む
4.当面の業績 主力分野の受注減少を新規分野でカバー、来期から増益に転換
5.企業評価 新製品の競争力は強い
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (18年7月23日) |
899円 |
時価総額 | 165億円 (18.4百万株) |
PBR | 1.19倍 |
ROE | 8.7% |
PER | 13.9倍 |
配当利回り | 2.2% |
総資産 | 17784百万円 |
純資産 | 12691百万円 |
自己資本比率 | 71.4% |
BPS | 758.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011.2 | 13257 | 680 | 698 | 516 | 30.0 | 7.5 |
2012.2 | 15236 | 1065 | 1123 | 608 | 35.3 | 7.5 |
2013.2 | 16396 | 1470 | 1618 | 765 | 44.4 | 10.0 |
2014.2 | 17616 | 1286 | 1341 | 787 | 45.7 | 12.5 |
2015.2 | 17424 | 1150 | 1249 | 695 | 40.4 | 15.0 |
2016.2 | 19027 | 1346 | 1394 | 961 | 55.7 | 12.5 |
2017.2 | 21164 | 2041 | 2097 | 1064 | 61.7 | 20.0 |
2018.2 | 19801 | 1971 | 1994 | 1477 | 85.7 | 20.0 |
2019.2(予) | 19000 | 1600 | 1600 | 1100 | 64.7 | 20.0 |
2020.2(予) | 21000 | 1900 | 1900 | 1330 | 79.4 | 20.0 |
(18.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは2016.2期予想ベース。2009年6月に1:2、2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/furoinntosanngyou201807.pdf
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