ジリジリと…、しかし着実に…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/21 11:04

◆ポジション調整目立つも、崩れるには至らず

※ご注意:予想期間は5月22日と表示されていますが、本日(5月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


111円台に乗せる動きこそ見られたものの、やはりポジション調整が目立ちました。
一時3.12%をつけた米10年債利回りも、3.05%付近へと押し戻されており、週末を控えた動きがドル円を押し戻しました。
もっとも基調そのものは“しっかり”を継続している感があり、大きく崩れるには至っておりません。

◆“懸念材料の一つ(米中貿易戦争懸念)”は後退

こうした中、週末に“懸念材料の一つ(米中貿易戦争懸念)”が後退しました。
米国が求めた「2020年までに2000億ドルの赤字削減」こそ示されなかったものの、米中通商協議では「関税措置は一旦保留で合意」と伝わったからです。
これは“リスク選好”で振れる可能性が高く、少なくとも“リスク回避の巻き戻し”としては機能すると考えられます。

◆新たな懸念材料が吹き出さなければ…?

対イランを含めた“中東情勢”、一時3.12%をつけた米10年国債利回りには“高値達成感台頭の可能性”、さらには“にわか上値期待の台頭”等、懸念材料がないわけではありません。
気迷いを示す“高値圏での寄引同時線(十字線)”が日足で描かれたことも、テクニカル的には懸念材料といえます。
それでも「ダブルトップ否定」の影響は大きく、「一旦のドル売り(ポジション調整)」もこなした…。

“一気の上値追い”を期待するのは少々酷かもしれませんが、新たな懸念材料でも噴出してこない限り、“ジリジリと…、しかし着実に…”上値を窺ってくる展開を期待したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.690(1/12高値)
上値4:111.481(1/18高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:111.315(1/8~3/23の76.4%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.081(5/18高値、20月移動平均線、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.901(5/18高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:110.733
下値1:110.610(5/18安値)
下値2:110.535(ピボット1stサポート)
下値3:110.344(5/11~5/18の38.2%押し、50週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値4:110.152(5/4~5/18の38.2%押し、5/11~5/18の50%押し、200日移動平均線)
下値5:110.000(大台、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:24 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想