“にわか上値期待”気になるが、「ダブルトップの否定」が上回る…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/16 10:58

◆“110円ライン”をしっかり突破

※ご注意:予想期間は5月17日と表示されていますが、本日(5月16日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「二度あることは三度ある」とも思わせる動きを見せた欧州タイム序盤でしたが、NYタイム序盤にかけてしっかりと“110円の大台ライン”を抜けていきました。

強めの米小売売上高(+0.3%)/良好なNY連銀製造業PMI(20.1)に後押しされたことで、米10年国債利回りは「2011年7月8日以来の3.09%」へと一時駆け上がりました。
日米金利格差拡大はドル買いを促し、“200日移動平均線(昨日は110.169円)”“50週移動平均線(同110.324円)”を次々と突破し、“2/2高値(110.476円)”と面合わせの水準まで上値を伸ばしています。

一方で「米朝首脳会談中止の可能性」がにわかに囁かれるなど、“リスク選好一辺倒”へ傾斜する状況ではありません。
米10年債利回り上昇を嫌気してNYダウが“9日ぶりの反落(193ドル安)” を見せたこともあり、NYタイム終盤は上値が押さえられた状況が続きました。

◆「一旦ポジション調整」は否めないところだが…?

きな臭い“中東情勢”、前記した“北朝鮮情勢”、さらには110円回復に伴った“上値達成感”まで絡んでくれば、「一旦ポジション調整」は否めないところです。
これに“にわか上値期待”まで絡むとあっては、なおさらということになります。

◆それでも「ダブルトップの否定」は強力…!?

しかし昨日の動きは「三度目の正直」であると共に、「ダブルトップの否定」でもあります。
テクニカル的には“さらなる上値追い”が期待できるところであり、昨日突破した“200日移動平均線(本日も110.169円)”がサポートラインとして機能する可能性も指摘されるところです。

“にわか上値期待”が少々気になりますが、ここまでくれば「“17/11/6~18/3/23の61.8%戻し(110.874円)”までさらに意識を伸ばす」と考えて、マーケットに臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.315(1/8~3/23の76.4%戻し)
上値4:111.057(20月移動平均線、大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:110.874(17/11/6~18/3/23の61.8%戻し)
上値2:110.660(ピボット1stレジスタンス)
上値1:110.451(5/15高値)
前営業日終値:110.368
下値1:110.169(200日移動平均線)
下値2:110.000(大台、5/11~5/15の38.2%押し)
下値3:109.866(ピボット1stサポート)
下値4:109.763(5/4~5/2の38.2%押し、5/11~5/15の50%押し)
下値5:109.657(5/15安値、5/11~5/15の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:31 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想