「二度あることは三度ある」ではなく、「三度目の正直」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/05/15 11:32

◆ドル円小じっかり - 109円後半へ反発

※ご注意:予想期間は5月16日と表示されていますが、本日(5月15日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“ユーロ買い戻し”を背景に“ドル売り”が進行する場面も見られましたが、昨日はそれ以上の“円売り”が下値を支えました。

弱い米インフレ指標が続いたことで、NYダウは堅調推移を続けています。
これがリスク回避への思惑傾斜を妨げており、ドル円の“小じっかり”につながっている感があります。
これに『緩やかな利上げ継続を支持』とのメスター・クリーブランド連銀総裁発言もあり、高止まりしていた米10年国債利回りが“再び(三度?)3%乗せ”が重なりました。
米中通商協議を控えた“慎重姿勢”もあって「上値の重さは相変わらず」といった様相を続けていますが、ドル円は109円後半へと押し上げられていきました。

◆“三度目のトライ”であることを考えれば、攻略は十分可能…?

ここまでくれば、やはり「110円トライが意識される」と見るのが自然です。
つまり問題は「二度あることは三度ある」、それとも「三度目の正直」ということになってきます。

“スタンスの隔たり”を考えれば、米中通商協議は「ネガティブに傾斜しやすい」と見るのが自然です。
しかしながらイラン関連として制裁が科された中国通信機器大手・ZTEに関して、トランプ米大統領は『制裁見直しを指示』と伝わっています。
“円滑な通商協議”を期待させる要因である中、それでいて前記「イメージは下方向(ネガティブ)に傾斜しがち」…?

米小売売上高も控えていることを考えれば、“動きにくい(様子見⇒膠着)”と見るのが自然ですが…?
また“109.80-110.00円”にビッシリと並ぶドル売りオーダーを突破するのは、容易ではありませんが…?
それでも“三度目のトライ”であることを考えれば「攻略は可能」、「二度あることは三度ある」ではなく「三度目の正直」と見て、マーケットに対峙したいところです。
過度な楽観視をしないようにしながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.874(17/11/6~18/3/23の61.8%戻し)
上値4:110.324(50週移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:110.169(200日移動平均線)
上値2:110.031(5/2高値、5/10高値、1/8~3/23の61.8%戻し、大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:109.804(ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:109.641
下値1:109.564(100週移動平均線)
下値2:109.344(ピボット1stサポート)
下値3:109.151(5/11-14安値、週足・一目均衡表基準線)
下値4:108.995(5/9安値、20日移動平均線、大台、ピボット2ndサポート)
下値5:108.832(5/8安値、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:48 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想