「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第57回(1)、そして第2部第11回!
□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
■助手のムサシです。よろしくお願いします。
□今日はボリンジャーバンドの5回目、いよいよボリンジャーバンド分析法の詳細に移る。
■楽しみです。まずは新年1月の講師のセミナー報告
◆サンワード貿易NEWYEARセミナー テーマ「2015年の投資戦略を考える」
1/17(土)札幌(同時中継大阪)
http://www.sunward-t.co.jp/seminar/2015/new_year_2015sapporo/
1/25(日)東京
http://www.sunward-t.co.jp/seminar/2015/new_year_2015/
◆岡地(株)セミナー テーマ「小次郎講師流マーケット分析、明日から使える実践編!」
1/24(土)名古屋、
https://www.okachi.jp/seminar/detail20150124n.php
■札幌・大阪・東京・名古屋で講師のセミナーがあります。ご期待ください!
1、バンドワイズチャート、%bチャート
□さて、前回バンドワイズチャート、%bチャートの説明をした。
■はい。でも残念ながらそのチャートを表示出来る証券会社が少ない。
□そこがチャンスだ。
■えっ?
□同じチャートを見て、似たような分析をして、それで他人より有利な立場に立てるかね?ファンダメンタルズ分析なんか特にそうだ。手垢のついた誰でも知ってる材料を元に売買して勝てると思っている方が不思議だ。もし、勝ちたいなら他人より一歩進んだ分析をしなければいけない。バンドワイズチャート、%bチャートが、なかなか見つからないならそれは逆にチャンスだ。手書きしよう。
■手書きですか。
□何をびっくりしている。そのために計算式から教えたてるのだよ。
■でも・・・・めんどくさい。
□今はコンピューターで簡単にチャートが出てくる時代になった。だから投資家は証券会社が用意してくれたチャートソフトで分析をしている。しかし、コンピューターでチャートが出てくるようになったのはここ20年くらいの話。それ以前はみんな手書きをしていたのだよ。めんどくさいなんてこれっぽっちも思わないでね。
■そうですか。
□勉強もしない、努力もしない、チャートを書くのはめんどくさい。でも利益は大きく取りたい。そんな虫のいい話があると思うか?投資の利益も商売と一緒、勉強して、計画立てて、他人より努力して、地道にこつこつと頑張っている人間が成果を上げる。
■わかりました。わかりましたが、まずは・・・ボリンジャーバンドの話を。
2、ボリンジャーバンドの3つの要素
□ごほん。そうだった。前回バンドワイズチャート、%bチャートの説明をした。バンドワイズチャート、%bチャートは既存のチャートシステムの中にはなかなかないが、その意味を理解していればボリンジャーバンドの中にそのエッセンスを見つけることが出来る。そして、それによりボリンジャーバンドの分析力が一気に高まる。その二つのチャートの勉強をしてきたことは無駄にはならない。
■それはよくわかります。バンドワイズチャートとは要はボリンジャーバンドのバンド幅に注目しようという教えですし、%bチャートは現在の価格がボリンジャーバンドの5つの線のどの位置にあるかを注目しようという教えですよね。これでボリバンの理解が一気に深まりました。
□だね。バンド幅に注目するということは、ボラティリティ(価格変動の大きさ)の変化に注目しようということ。価格がバンド内のどの位置にあるかということは、それにより価格の相対的な高さを表したもの。もうひとつ大事なことはミッドバンドは20日移動平均線であるということ。これは中期的なトレンドの方向性を表している。
※ボリンジャーバンドの3要素
■つまりボリンジャーバンドは「トレンドの方向性」「価格変動の変化」「相対的価格の高さ」この3つを使って分析する手法と。
□そういうこと。ではひとつひとつ解説して、それを総合分析する手法をお教えしよう。まずはミッドバンドから。
3、ミッドバンド
□ミッドバンドは20日移動平均線。EMA(指数平滑移動平均)ではなく、SMA(単純移動平均)を使う。
■単純移動平均線を使う理由は、標準偏差の計算が単純移動平均を使うからでしたね。
□前々回、標準偏差を計算式から徹底解説した理由がわかるだろ?
■なるほど。標準偏差の計算法がわからなかったら、なぜボリバンが単純平均を使うか、わからないでしょうね。
□で、いまだに、ミッドバンドはEMAの方がいいんじゃないですか?と言ってくる人間が後を絶たない。標準偏差の計算が20日の単純移動平均を基本としている以上、標準偏差に重きを置くボリンジャーバンドのミッドバンドは単純移動平均線でなければ整合性がとれないのだ。
■なるほど。
□さて、20日移動平均線は、20日間の平均的買値(売値)を表し、中期のトレンドの方向性を示す。まずはチャートを見て、現在が上昇トレンドなのか下降トレンドなのかもみあいなのかを見抜く方法をお教えしよう。
□上のチャートを見てどこからどこまでが上昇トレンドでどこからどこまでが下降トレンド、どこからどこまでがもみあい期間と識別出来るかな?
■まあ、すでに答えが書き込んであるのでわかりますが、これはやはりミッドバンドの傾きから判断するのですか?
□まずは、ミッドバンドの傾きで大雑把に現在は上昇、現在は下降、現在はもみあいとわかるね。ただ、どこからどこまでとなるとなかなかわかりづらい。その見分け方はろうそく足とミッドバンドの関係。
■ろうそく足とミッドバンドの関係?
□上昇トレンドではろうそく足のほとんどがミッドバンドの上にある。下降トレンドではろうそく足のほとんどがミッドバンドの下にある。ろうそく足とミッドバンドが短期間にクロスすることが多いのがもみあい期間。
【ミッドバンドからトレンドを見分ける方法】
上昇トレンド・・・その期間のろうそく足はほとんどミッドバンドの上
下降トレンド・・・その期間のろうそく足はほとんどミッドバンドの下
もみあい期間・・・短期間のうちにろうそく足とミッドバンドが何度もクロスする状態。
■なるほど、上のチャートを見るとこの分類のとおりになってますね。
□ろうそく足の一部、特にひげが瞬間ミッドバンドとクロスしたなんていうのは計算に入れなくていい。たとえば上昇トレンドは、ほとんどの期間においてろうそく足の全体がミッドバンドの上にあるということが基本だが、瞬間ひげがくっついたり、実体の一部がミッドバンドと接するなんてことはある。
■では、今上昇トレンドがあると判定されたとして、その終わりはどう見抜くのですか?
□ろうそく足が完全にミッドバンドの下に行ってしまったらそれで終わり。
■なるほど。先ほどの図を見るとわかりやすいですね。
□本日はまず、このトレンドの分析術をしっかりとマスターしてほしい。今後どのチャートを見てもすぐに今が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、もみあい期なのかがわかることが大事。
■やってみます。
□まあよく考えるとミッドバンドと価格のクロスというのはいわゆる移動平均線分析におけかるゴールデンクロス・デッドクロスのこと。
■確かに。
□移動平均線分析ではゴールデンクロス・デッドクロスというとゴールデンクロス=買いサイン、デッドクロス=売りサインということになるが・・・
【移動平均線分析】
ゴールデンクロス・・・価格が移動平均線を上抜くこと・・・買いサイン
デッドクロス・・・価格が移動平均線を下抜くこと・・・売りサイン
□買いサイン、売りサインというよりもデッドクロス=買いの手じまいサイン、ゴールデンクロス=売りの手じまいサインと考えた方がいいかもしれない。
■つまり上昇トレンドはデッドクロスによって終了するということですね。だから、上昇トレンドで買いを持っていたとして、デッドクロスしたら手じまいをしなければいけないと。
□そういうこと。
■逆に下降トレンドはゴールデンクロスで終了すると。
□そうだね。上昇トレドが終わるということと、下降トレンドが始まるということはイコールではない。下降トレンドが終わるということも同じ。それが上昇トレンドの始まりを意味しない。そこをきちんと認識しておこう。
■もみあい期入りってこともありますしね。
□移動平均線は世界中で一番有名なテクニカル指標だが、だましが多いため一般の人にはなかなか使いづらい。特に今言ったようにトレンドの終了を示すということでは使えるが、トレンドの始まりを示すかというとしばしばだましに会う。そこでボリンジャーバンドはその他の要素を取り入れて、移動平均線の弱点をカバーしたという位置づけもある。
■前回、ボリンジャーバンドはストキャスの進化形と習いましたが、移動平均線の進化形でもあるわけですね。
□ボリンジャーバンドは移動平均線とストキャスを足してそれにボラティリティの要素を加えたものと思えば全体像が見えてくる。次回はそのボラティリティの要素を徹底解説したい。
■よろしくお願いします。
□ということで本日はここまで。
■ありがとうございました。起立。礼。
今日のまとめ
・バンドワイズチャートとは要はボリンジャーバンドのバンド幅に注目しようという教え。%bチャートは現在の価格がボリンジャーバンドの5つの線のどの位置にあるかを注目しようという教え。
・バンド幅に注目するということは、ボラティリティ(価格変動の大きさ)の変化に注目しようということ。価格がバンド内のどの位置にあるかということは、それにより価格の相対的な高さを表したもの。もうひとつ大事なことはミッドバンドは20日移動平均線であるということ。これは中期的なトレンドの方向性を示している。
・ボリンジャーバンドは「トレンドの方向性」「価格変動の変化」「相対的価格の高さ」この3つを使って分析する手法。
・ミッドバンドは20日移動平均線。EMA(指数平滑移動平均)ではなく、SMA(単純移動平均)を使う。標準偏差の計算が20日の単純移動平均を基本としている以上、標準偏差に重きを置くボリンジャーバンドのミッドバンドは単純移動平均線でなければ整合性がとれない。
【ミッドバンドからトレンドを見分ける方法】
・上昇トレンド・・・その期間のろうそく足はほとんどミッドバンドの上
・下降トレンド・・・その期間のろうそく足はほとんどミッドバンドの下
・もみあい期間・・・短期間のうちにろうそく足とミッドバンドが何度もクロスする状態。
・ろうそく足が完全にミッドバンドの下に行ってしまったらそれで終わり。
・ボリンジャーバンドは移動平均線とストキャスを足してそれにボラティリティの要素を加えたもの。
□第2部第11回講義終了。
■「起立、礼!」
□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2 累計単位数22
中級テクニシャンまで後78単位!
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