上値追い継続も、慎重に…?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/28 11:00

◆ようやく105円ライン到達

※ご注意:予想期間は10月29日と表示されていますが、本日(10月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


抜ける時というのは“得てしてこんなもの”…。

足元の上値の重さから“もうしばらく膠着が続く”へと傾斜しかかっていた中、ドル円はようやく105円台に乗せてきました。

注目の米耐久財受注はそれほど“良かった”とはいえませんでしたが、輸送機器を除くコアの前回値に上方修正が加わりました(-0.2%⇒+0.1%)。
このため米GDP(本日28日)への期待が落ちることなく、米年内利上げ観測を妨げることもありませんでした。
米10年国債利回りが1.87%台に乗せるにつれてドル買いは勢いを増し、“25日高値(104.869円)”を突破した流れそのままに、105円台に到達してきました。
その後もドル買いは続き、大台を維持したままで昨日の取引を終えています。

◆さらなる一段高への期待が膨らむ局面

大台維持で終えたことから、“もう一段の上値追い”も膨らみやすくなっていると見られます。
米GDPへの期待感も落ちておらず、逆に米貿易収支の赤字減少、卸売在庫の増加、さらには昨日の耐久財受注・コアの上方修正も加わり、楽観論が増えつつあるのが実状です。
予想通りあるいはそれ以上になると、ドル買いが加速する可能性もあります。
予想外の弱さに留まった“前回時の反動”への期待もあるだけに、場合によっては“7/21高値(107.481円)”に向けた一段高への期待も膨らもうといったところかもしれません。

◆ただ本日は週末、ドル突っ込み買いにはリスクも伴う…

ただ本日は週末であり、米GDP前のドル突っ込み買いにはリスクが伴います。
米GDPの結果には素直に沿いたいところですが、本日からOPECで技術的協議も行われます。
原油が揺れ動く不透明感が残りますので、目先は「やや利益確定売り優勢」、ただ「大きく崩れることはない」と考えたいところです。
その上で「高いところをついていく」のではなく、「押したところがあればしっかり拾う」を基本にしたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.645(7/27高値、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:105.960(9/27~10/13-10/19の61.8%返し、大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:105.640(ピボット1stレジスタンス)
上値2:105.579(7/29高値)
上値1:105.336(10/27高値)
前営業日終値:105.266
下値1:105.000(大台)
下値2:104.811(10/27の50%押し)
下値3:104.686(10/27の61.8%押し)
下値4:104.499(10/19~10/27の38.2%押し)
下値5:104.285(10/27安値、10/19~10/27の50%押し、日足・一目均衡表転換線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:27 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想