予想通りの下げ、からの年末は?

動点Pさん
動点Pさん
こんにちは。動点Pです。
あらら、の今週ですが、指数を確認しておきましょう。

12/03
       値     前週比   年初来  
S&P500    4538.43  -1.22%  22.64%
NASDAQ総合 15085.47  -2.62%  18.80%

    Stoch RSI %K(週足)
S&P500    45.24

今週はかなり下げました。急落といえる相場でしたね。前週比で見るとNASDAQ総合でも-2.6%で、数字だけ見ると「なんだそんなもんか」と思ってしまいますが、体感としてはかなり大きいです。NASDAQ総合の指数はすでに100日移動平均線にタッチしていますし、値をみると、8月終わりの水準まで戻ってしまっています。つまり、3ヶ月以上、上がらなかったことになります。

この下落の原因は大きく2つあります。1つは新型コロナウィルスの新しい変異株、オミクロン株が出現し、アメリカ国内で感染者がみつかったことです。もう1つはFRBのパウエル議長がインフレの長期化を認め、テーパリングを早く終わらせ利上げに踏み切ることをにおわせたことです。私の感触では、どちらかといえば、オミクロン株は下落のきっかけにすぎず、テーパリングの早期終了と利上げ予測が大きいのではないかと思っています。

なぜなら、グロース株がかなりやられているからです。今回の値でもS&P500よりもNASDAQ総合の指数のほうが下落がきついです。またNASDAQの指数はNASDAQ総合とNASDAQ100の2つがありますが、NASDAQ総合のほうが下落がきついです。NASDAQ総合のほうが中小型のグロース株を多く含んでいますので、中小型のグロース株の下落が大きいということになります。

なぜグロース株がやられているかというと、利上げ局面になるとどうしても企業の成長スピードが落ちてしまうからです。金利が上がれば、企業の借り入れ金利が増えることになりますから、その分、利益が減り、再投資もできなくなります。たとえばハイパーグロースと呼ばれる若い成長企業の多くは成長への投資に集中しているため赤字のところが多いです。そうした企業の成長スピードが下がれば、ただの赤字企業となってしまうことになります。したがってそうした銘柄は売られやすくなります。

たとえばクラウドストライク $CRWD を例にとってみましょう。クラウドストライクはネットセキュリティをサービスとして提供する企業で、2021年の売り上げは1.2B ドル、つまり1200億円を優に超えています。しかし借り入れ金(流動負債)を含めて投資にかなり多くの資金をつぎ込んでいるため、損益計算書は赤字となっています。そのため、直近の決算内容は非常によかったのですが、売られてしまっています。
$CRWD / google finance

ドキュサイン $DOCU が決算のガイダンスを少しミスしただけで、40%以上売られたのも市場にかなり衝撃を与えたと思います。私もこの銘柄はさわったことないのですがびっくりしました。オンライン上の文書証明サービスを提供する企業です。
$DOCU / google finance

中小型のグロース株にとっては、これからかなり厳しい相場が続くと思います。しかしそうしたなかでも伸びてくる企業というのは必ずあるはずで、そうした企業が次の世代のビッグテックになっていくのだと思います。一方で、私のような個人投資家がそうしたハイパーグロースに投資をするのはリスクが大きいです。

そこで、こうしたハイパーグロース株へのポジションを落とし、S&P500や全米株式などのインデックスETF($VOO, $VTI)に入れておくのが現状堅実なのではないかと思っています。しかしいまはまだ下落局面なので、上がり始めてから入ればいいと思います。現金を用意しておくのも立派な投資の1手法です。

今後のテーパリングの終了→政策金利上げを考えると、新興国インデックスへの投資もまだリスクが大きいと思います。すでにトルコの10年国債の利回りは20%を超えてしますし、ブラジルのそれは10%を超えています。EU域内からも悲鳴を上げる国がでてくるだろうと考えています。今後、アメリカにドルが戻っていくでしょうから、新興国は利上げをしないと資金がショートします。これに耐えられ、さらに成長する国となると難しいと思います。なんだかグロース株みたいですね。今後アメリカの利上げ局面でも成長が期待できる国を考えると、たとえば産油国などは候補になってくるかもしれません。しかし無理にそうしたところにつっこまなくても、S&P500や全米株式に堅実に投資しておく、というのでも十分ではないでしょうか。

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そうした視点で日本をみると、こうした状況でも、国債金利も政策金利もほとんど上がらない、しかもそれでもデフレが続いている不思議な国です。今後デフレが解消されれば、日本市場が見直される可能性はあります。ただこのデフレは政策的な間違いによるもので、すぐに解消するのは難しいと思います。

日経平均はすでに上昇トレンドを完全にわりこんでしまっているので下落局面に入ったと考えていいと思います。こうした相場でどう勝っていくのか、ということですが、1.安定して成長しており、2.ファンダメンタルズも妥当で、3.株価も割安な銘柄を辛抱強く持っておく、ということに尽きるのではないでしょうか。我慢強さが試される相場になると思います。それが難しければ、S&P500や全米株式に移すのも1つの手かもしれませんね。

前にも少し書きましたが、マイクロソフト $MSFT やグーグル $GOOG &GOOGL の週足、月足のチャートをみると、緩和局面か、利上げ局面かに関係なくぐいぐいと伸びてきたことがわかります。利上げでも伸びる企業はあるので、こうした企業に投資をしておくのがいいのだと思います。しかしマイクロソフトやグーグルでも、今後はどうなるかわかりません。逆にいえば、このあたりの企業が崩れたら、アメリカの市場全体が大きく崩れることになると思います。

今週末は久しぶりに何人かの人と話すことができて楽しかったです。友人となにげない会話を楽しむ、というのは自分にとってとても重要だったのだなと改めて気づきました。こうしたことが今後もっと自由にできるようになるのを願っています。

ではではー。
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