あっちはトレードを習った。講習には、門下生のトレードの添削があった。
あっちが幸運だったのは、やったトレードを全部提出していた時期に在籍できたことだ。期がすすむにつれて、渾身のトレードを提出しろに変わったが、あっちが在籍していた当時は、やったトレードを全部提出しろだった。だから、個々人の力量の差だけでなく、1つの群れとしての動きのパターンに気がつけた。この手のものは、まとまった人数が提出してくる、そこそこの分量のサンプルがないと見えてこない。
渾身のトレードだけ提出されていたら気づけなかったと思う。門下生達のはっきりとわかる傾向、それは、強気相場で自分の力量を過信する人が量産される。弱気相場で資金を吹っ飛ばす。という動きの繰り返しだ。
門下生の資金増加と資金減少は、相場付と連動していた。
トレンドフォロー高値追い型のトレードを、ほぼほぼ全員がやっているのだからあたりまえなのだが、提出トレード数と相場付は連動していた。師匠が褒めるトレードも連動していた。
強気相場の時には、条件を甘くしてでも入った人間の方が結果的に稼ぐし、大胆に資金投入できる人の方が強い。が、難しい相場に変わったときに同じことをやっていたら、全てを失う。トレードを教える場はたくさんある。だが、塊としてのトレーダーを見たとき、どういう動きをしているのかを、主観的に体感しながら客観視できる場は、ごくごく僅かしかない。
あっちが、何度もドツボ落ちしながら、しぶとく生き残れたのは、幸運な時期に在籍できたからではないかと思っている。