調整は当初予想よりも少し深く長くなりそう

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は大幅高となった(DJIA +572.16 @31,496.30, NASDAQ +196.68 @12,920.15)。ドル円為替レートは108円台前半の先週末比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が1,211に対して、下落銘柄数は889となった。騰落レシオは109.61%。東証1部の売買代金は2兆9862億円。

TOPIX -3 @1,894
日経平均 -121円 @28.743円

米追加経済対策が米議会上院で既に可決されているが、米雇用統計で2月の雇用者数が市場予想以上に増えたことで景気回復期待がさらに高まった。これらを背景に米株式相場は大幅高となり、その流れを受けて、本日の日本株全般も上げて始まった。ドル円相場が円安に動いたこともあり、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。しかし、米長期金利の高止まりが警戒される中、買いが一巡する頃になると、米株価指数先物が反落し始めた。上海総合指数や香港ハンセン指数などアジア株も下げた。米国では巨額の財政出動と景気回復の進展により、長期金利が想定以上に速く上昇して経済回復が失速するのではないかという不安が高まってきた。この不安と、金融緩和政策の継続とコロナワクチン接種の普及により経済回復が早まるという期待感が綱引きをしている。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まったが、失速して長陰線を引いて前日比安値引けとなった。これで25日移動平均線を3日連続で下回っている。5日以上長く25日移動平均線を割り込み続けとそのダメージはボディーブローのように効いてくる。10日移動平均線が明確に下向きになっており、25日移動平均線の下に株価は沈み込んだ。長期金利上昇による不安と景気回復への期待感が真正面でぶつかり合っている。最終的には景気回復への期待感が勝ると見ているが、調整は当初想定していたよりも少し深く長くなるかもしれない。目先では、昨年7月31日、10月30日のように上向きの60移動平均線で下げ止まるかどうかである。

33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、鉄鋼(2位)、石油・石炭(3位)、保険(4位)、電気・ガス(5位)となった。

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