何故に、二人は、別れなければ、ならなかったのか。その事情は、誰にも、わからない。
ここで有ったことは、この沿線で、ある男と女が出会い、そして交際を始め、いつの間にか、それが消えてしまった事だ。
電車は今日も、そんな事は、お構いなしに動いている。しかしその女には、そこを訪れると、過去の思い出が、あちこちに浮かび、そして歩く度に、去ってゆく。
あの駅の改札、電車が揺れる度に、肩と肩がぶつかりあったあの日。木枯らしが、吹いてゆく乾いた道路。
女の歩く後ろ姿は、なんとなく、肩が落ちているかのようだ。その足元を、既に、落ち葉の季節は過ぎ去っているが、1,2枚の、枯れ葉が、女の後ろから、前の方に、通り過ぎる。
(ユーチューブです)
https://www.youtube.com/watch?v=KxLqxr9s7SE